「英会話スクールに通い始めるべきか、それとも先に発音矯正を受けるべきか?」
これは、本気で英語を話せるようになりたいと考えている方から、最も頻繁にいただく質問の一つです。

結論からお伝えすると、20年以上にわたる指導実績から導き出した最も効率的な順番は、「まず発音の土台を短期間で整え、その後に英会話レッスンへ入る」というアプローチです。

なぜこの順番がおすすめなのか?
「英会話と発音矯正の順番」に関してよく寄せられる3つの疑問に、プロの視点から具体的にお答えします。

Q1.オンライン英会話を受けていますが、発音矯正も同時に受けるべきですか?

A.「同時進行」よりも「まず発音を短期間で整えてから英会話に集中する」順番がおすすめです。

英会話レッスンと発音矯正を同時にこなそうとすると、頭の整理が追いつかず、どちらも中途半端になってしまうケースが少なくありません。

英語学習を「音楽の演奏」に例えてみましょう。 ドレミファソラシド(音程)やテンポ(リズム)が不安定なまま、いきなりバンドで合奏(英会話)を始めても、相手(聞き手)は違和感を覚えます。自分自身も「一所懸命弾いているのに、なんか上手く噛み合わない…」とストレスを感じてしまうはずです。

それどころか、発音が不安定なまま会話レッスンを受けると、レッスン中の貴重な時間が「単語の言い直し」や「先生からの発音の指摘」だけで終わってしまいます。

  • 発音の土台がない状態: 伝えたい内容(文章・意見)の組み立てよりも、「正しく聞き取ってもらうこと」だけに意識と時間を使ってしまう。
  • 発音の土台がある状態: 言い直しに時間を使わず、本来学びたかった「表現力」「会話の流れ」「意見の伝え方」の練習に100%集中できる。

同じ受講費と時間を投資するのであれば、まず発音を整えてから英会話に集中する方が、1回あたりのレッスンの吸収効率(コスパ・タイパ)が劇的に跳ね上がります。

Q2.英会話レッスンで毎回講師に聞き返され、挫折しそうです。何から直せばいいですか?

A.語彙を増やすのではなく、日本語と異なる「英語特有のリズムと強弱」から整えましょう。

講師に何度も聞き返されてしまう原因の多くは、単語の知識不足ではなく「日本語のリズムのまま英語を話していること」にあります。

日本語は、一音一音を均一な強さで平坦に並べて発音する言語です。一方、英語は「強く発音する音」「軽く流す音」「音が繋がって変化する音」という明確な波(リズム)が存在します。

どれだけ正しい単語や文法を使えていても、日本語的な平坦なリズムで発話してしまうと、相手の脳はそれを「英語」としてスムーズに認識してくれません。

  1. 英語特有の「強弱の波」を知る
  2. つながる音(リスニング・スピーキングの音の変化)を理解する
  3. 相手が英語として認識しやすい「最小限の音の土台」を作る

このステップを踏むだけで、「聞き返される回数」は劇的に減ります。相手の反応が良くなり「自分の英語が通じた!」という成功体験が得られると、英会話そのものが一気に楽しくなり、挫折を防ぐことができます。

Q3.発音矯正をすると、リスニング力も上がるというのは本当ですか?

A.本当です。「自分が口で再現できる音」は、耳でも明確に聞き分けられるようになります。

英語の単語 "light" と "right" の違いを説明するイラスト。脳内データベースを象徴するキャビネットから単語が伸びている。

発音矯正は、決して「話すため(スピーキング)」だけのものではありません。実は「聞き取る力(リスニング)」を急成長させるための最も確実なトレーニングでもあります。

英語の音の違いを知らないまま英語を聞いていても、音の波が「なんとなくの背景音」として流れていくだけで、細部まで聞き取ることは困難です。

しかし、自分の口を使って「音の違い(正しい口の形・舌の位置・息の出し方)」を作り出せるようになると、頭の中に「音の識別基準」が完成します。その結果、これまでノイズのように聞き逃していた英語の音や変化が、クリアに耳に入ってくるようになります。

まとめ:完璧を目指す必要はありません。まずは「音の出し方」を知ることから

英会話を始める前に、プロのナレーターのような完璧な発音を目指す必要はまったくありません。

「英語らしい音の出し方やリズムの仕組み」をほんの少し知っておくだけで、その後に受ける英会話レッスンの質や、上達スピードは大きく変わります。

もし「英会話スクールに通っているのに成果が出にくい」「発音と会話のどちらから手をつけるべきか迷っている」という方は、まずはご自身の発音の「現在地」を知ることから始めてみませんか?

英語教育のために親子が対話をしているイラスト。カジュアルな服装をした男女が、楽しそうにコミュニケーションをとっている様子が描かれている。
英語学習のアドバイス付きで無料体験レッスンを申し込む概念を表現したイラスト。

この記事で解説した「音楽に例えた学習の順番」や詳しいエピソードについては公式noteでも詳しく語っています。ぜひ併せてお読みください。