あの人は英語発音が上手、英語がネイティブみたい!そんなふうに言われてみたい、思われてみたいですか?

英語の発音がいい人にはどんな特徴があるのでしょうか。
そして、どうすれば英語の発音がいい人になれるのでしょうか。

この記事では、英語の発音がいい人の共通点を説明し、英語の発音が良くなるためのワザを紹介します。

海外経験がなくても英語の発音は良くなる?

海外留学、海外生活経験なし、大人でも、英語が苦手でも、「英語の発音が上手な人」になることができます。

私は海外留学経験がありません。
海外生活経験もありません。
英語を始めたのは中学入学前の春休みで、子供の頃一切英語教育は受けていません。

でも中学入学前の春休みから3ヶ月、英語発音矯正プログラムの開発者であった父から30分の発音レッスンを受けました。それがその後の大きな英語資産になりました。今は大人に英語発音を教えたり、大学や大学院で英語を教えたり、英語でビジネスをしたり、英語で国際学会発表や座長をしたり、英語のカンファレンスの司会進行をするなど、英語で生計を立てられるようになりました。

さらに、他のこういった英語学習系コンテンツを書いている人との大きな違いは、自分自身が英語を使えるだけでなく、全く英語ができない人から、伸び悩んでいるハイレベルな人まで英語を上達させることができる点です。

日本人の大人に英語の発音矯正を17年間で3万レッスン以上やってきた経験に基づいて、自信と確信を持ってこの記事を書きました。

長いですが最後までぜひ読んで、読むだけではなくやってみてください。

英語の発音が良い人、5つの特徴

特徴1:英語を耳で学ぶ習慣がある

英語を耳で聞いてその特徴を再現しようとする人は、英語発音が上手です。
英語の音の特徴をよく捉えられるからです。

一方で、努力しているのに英語の発音が良くならない人は、文字を見て、耳ではなく目を使って学ぶ癖が抜けない人です。

英語発音レッスンでもよくある光景ですが、学校や受験勉強の時のように、文字を目で追うことを優先して、耳から入ってくる音を無視してしまい、しかもそれを無意識にやってしまっているのです。この方法だと、英語の音の特徴をいつまでも覚えることができません。

発音が上手な人は、耳で聞いてその音の特徴を再現することを優先して、文字(テキスト)は参考程度に見ているだけだという特徴があります。

あなたはどちらのタイプですか?
耳をちゃんと使っていますか?

自分では耳を使っているつもりでも、無意識に目で文字を追うことに夢中になってしまっているかもしれません。誰か(専門家)にチェックしてもらうと、そういった間違いを正して早く上達できるます。自己流で間違った効果のない努力をしたくない人は、最初だけでも専門家のサポートを受けるのがおすすめです。

どんな人が耳で英語を学びやすい?

ミュージシャンや俳優、女優など、音や言葉を耳から入れることが習慣化し、その力を研ぎ澄ますことを職業にしている人たちは無意識のうちに耳で言葉をマスターしています。

例えば、こんな方々

YOSHIKI(X Japan)
Hyde(L’Arc〜en〜Ciel)
後藤久美子
叶姉妹
大谷翔平(野球選手)

楽器を習ったことがある人にもこのタイプが多く、どんな風にどれだけやれば伸びるのか、経験があるので想像しやすいでしょう。楽器マスターの経験をうまく使うと語学でも成果を出しやすいので、おすすめです。

スポーツ選手や運動をある程度やった経験がある人も、論より実践タイプということで耳を優先して語学をインプットする方法に向いていることが多いでしょう。

特徴2:スペルより発音記号に頼って発音している

英語は、スペルが発音と一致しません
スペル通りに読むと通じないし、スペルと同じ音だと思って覚えると聞き取れません

英語の発音がいい人は、単語のスペルではなくて発音記号を頼りに発音しています。
例えば汗はsweatですが、スゥエアトとは発音しません。
発音記号では/swet/と書いて、強引にカタカナで表すとスゥエットのような発音になります。
英語発音が上手ではない人、カタカナ発音の人はsu we ttoのように発音してしまい、音の強さもリズムも日本語のようにのっぺりした平べったい感じになってしまいます。

日本語は綴りと発音が同じなので楽ですが、英語ではスペルをそのまま読むと通じない場合がほとんどです。

もう一つ、英語の発音が上手な人は、ネイティブがよくやる「音の省略や変化」の特徴を再現できています。

有名な例: 
Get up. をゲット アップという人はほとんどいなくて、tとuをくっつけて、tをラ行音化(フラッピング)させて、ゲラップと発音します。
さらに軽く発音するネイティブは、pの音も唇の形だけやって音を出さないので、ゲラッ_(_はpの「溜め」)のように発音します。

どうしてそんなことするの?書いてある通り、発音記号通りに読んでくれよ!って思いますよね。
日本人が、「それをやっておいて」と急いで言う時「そりゃっといて」のように少し音を軽くして、ペラペラっと素早く軽く言うのと同じです。

ネイティブ達も、ペラペラっと楽して話したいので、音を変えます。イメージ的には、話すときの仕事量を減らすという感じ。

音を変えることを、reduction リダクション といいます。
音の「間引き」みたいなものだと思ってください。

引っこ抜かなくても問題はないけど、ない方が良くなる。だから引っこ抜いて減らして、身軽にする。そのほうが流れが良くなって話しやすいし、ネイティブ達はリダクションした状態に慣れているので、通じやすいのです。

英語の発音が上手な人は、英語がスペル通りに発音されないことを知っていて、発音記号で発音するだけではなく、音の変化も再現することができています。

リダクション上手な人は、英語の発音が上手に聞こえます。

特徴3: 顔の筋肉を使って発音している

英語は、日本語と比べると口の回りの筋肉をたくさん使います。特に母音を発音する場合、「唇の周りの筋肉を緊張させて出すtense soundというのがあります。

例えば、badのa(ae)や、please のea(i:)のような音です。

それぞれ、日本語の「ア」や「イ」を長く伸ばして発音してもこれらの緊張した音にはなりません。

ネイティブの顔だけ見て表面的な特徴をマネするのではなく、しっかり使うべき筋肉を使って発音すると、正しくて通じて英語らしい発音になります。

英語の発音が上手な日本人は、唇の周りの筋肉をしっかり使えているという特徴があります。

ネイティブが英語を話す時、そんなに口を動かしていないじゃないか!と言う人がいますが、それは当然です。ネイティブは、骨や筋肉(舌)の構造がもともと英語を苦労なく自然に話せるような形状で生まれついたので、大袈裟に口を動かす必要がなく、そんなことはしないのです。

一方で、日本人は英語にしかない音を出す必要性がなく、英語の国の人とは口周りの筋肉、歯、舌の力や長さの特徴がまったく違うため、ネイティブと同じ口の動きをしていたら同じ音を出すことはできません。

日本語を話せない英語ネイティブは、この「元々持っている違い」を知らないか、知っていても体感としてわからないので、「ネイティブの(自分がやっている)やり方をマネしてください」というアプローチの指導になりがちで日本人もそれが正しいと思ってネイティブの口元を参考にしようとします。

でも、実際にはネイティブよりも口辺筋肉を激しく使う必要があり、そのことに気づいて実行している人の英語は上手に聞こえるのです。

特徴4: 大きめな声ではっきり話している

英語は声が大きい言語で、日本語は小さい言語だと言うわけではないのですが、英語はお腹から息をたくさん出さないと音にならないものがたくさんあります。

もっと単純に言えば、「英語は息をたくさん使うので、日本語を話す時より自然に音量が大きくなりやすいのです。

大きめな声ではっきり話すことが目的でそうすると言うより、通じやすい上手な英語を話している人は結果として自然に大きくてはっきりした声で話しています

特徴5: 聞き手のことを配慮している

聞き手になるべくいいものを、わかりやすい状態で届けたい、という気持ちがあると、いい発音を身につけよう、英語発音矯正をしようと考えるのではないでしょうか。聞き手に対して思いやりがある人は発音が良くなります。

英語は、発音もイントネーションも言葉の並びや表現方法も全く日本語と違います。

聞き手が苦労しなくても聞き取れて理解できる発音で話そうとすること。日本流の発音ではなくて、なるべく英語の音として知られている特徴に近づけて、相手がパッと理解しやすいように工夫や努力をすること。

これは、聞き手に対する思いやりだと私は思っています。

英語の発音が良くない人、通じない人に共通する特徴

開き直っている

日本語英語で堂々と話せばいいと開き直っている人は、だいたい発音が良くないです。本人はそれでも通じていると思っていることが多いのですが、よく確認してみると本人がそう思い込んでいるだけという場合も多くあります。

「英語なんて発音がめちゃくちゃでも通じればいい」「インド人だってインド訛りの英語を堂々と話していて、世界でビジネスができているじゃないか」と主張する人がいます。

歌なんて歌えれば良い、音痴でも下手くそでもめちゃくちゃでもいいと思っている人はそんなにいないはずです。これが英語になると、自己流の音肯定派が増えます。英語にちゃんと聞こえて、通じれば良いのですが、そういう自己流理論を展開する人は、大事なところ、肝心なポイントを無視していることが多いので、残念ながら通じないケースが多いのです。

日本風、インド風、なんでも良いのですが、最低限押さえておかなければいけないポイントがあるので、開き直り英語をやるにしても、最低限のラインが何なのかは知っておく必要があります。開き直っても、結局通じなくて困ったり損したりするのは自分なので。

良い英語発音、通じる英語の3大必須条件

ここで、発音が良くなって、通じるようになるための必須条件を3つ紹介します。最低限これだけは!の3条件なので、ぜひこれだけでもモノにしてくださいね。

1. 英語の発音ルールを知る

2. 思い込みを捨てる

  • ローマ字読み、カタカナ発音=英語として通じる
    ローマ字読み、カタカナ発音は英語本来の音とは全然違うことが多く、通じないので忘れましょう。
  • 英語の発音が綺麗=ペラペラ話せる
    英語ネイティブも、ノンネイティブも、「英語をペラペラ早く話してほしい」とは思っていません。英語らしい音とイントネーションで、はっきりと話してくれた方がわかりやすく歓迎されます。英語に憧れる日本人特有の間違った「ペラペラ」「英語風」な流暢さを目指すのはやめましょう。

3.正しい努力を必要な量の練習

英語の発音の良さと年齢(小さい頃に英語を始めたかどうか)や、元の才能に関係なく、正しい方法で必要な量を練習すれば、英語の発音は必ず良くなります。良くなるだけでなく、ネイティブの教養がある人(外国語を自分もできて、母国語以外の言葉ができるようになることや、そのための努力、努力と成果の質が正しく判断できる素養を私は「教養」と呼んでいます)に褒められ、尊敬されるような英語発音、英語力は普通の人でも、大人になってからはじめても身につけることができます。