英語リスニング力アップに効果的な発音練習

英語のリスニング力アップには、英語発音の練習がとても効果があります。

※両者の関係を説明している英語発音と英語リスニング上達の関係もぜひお読みください。

では、あなたにはどんなリスニング教材が適しているのでしょうか。
結論を先に言いますが、それは人によって違います。

「これがオススメ!」みたいなことを期待して読んでいたら申し訳ないのですが、万人に適切なリスニング教材というものはありません。「そんな正論聞きたくない!」と思うことでしょうが、無駄な教材を買ってお金と時間を無駄にしたらもっともったいないので、ちょっと面倒かもしれませんが、このまま読んでみてください。あなたに必要なリスニング教材の選び方(選ぶ基準)を、理由とともに紹介します。
一般論を書いても役に立たないので、具体的に説明しています。だから、長いです。

英語のリスニング教材を買う前に以下2つのことを明確にしましょう。

1.あなたが求めるリスニングのレベル(対象)は?

あなたがどのレベルの英語を聞き取れるようになりたいのかを明確にしましょう。
どんな英語スピーカーが話す、どんなスピードどの程度の崩し具合の英語を聞き取りたいのか。

※「崩し」
 ネイティブスピーカーは、文字に書いてある通りそのまま発音しないで、音を変えたり飛ばしたりくっつけたりします。

例:Get up!を ゲット アップではなくtとuを連結させて、tの音をラ行音に変えて ゲラップ のようにペラペラっと発音します。これを「崩し」と呼んでいます。


 どんな英語スピーカーの英語を聞き取れるようになりたいのでしょうか?聞き取る対象を具体的にしておくことが大事です。ゴールを定めずに走ると、いつまでもたどり着きません。ゴールをまず1つ決めましょう。距離や難易度、自分の今の体力や心肺機能のレベルによって、何をどのくらいやるべきなのか、練習のデザインは異なります。

英語は、ネイティブだけが話すわけではなく、様々な人々が話します。
また、生身の人間が話す英語だけでなく、TOEICやTOEFLなど試験のリスニングセクション音声の英語、という場合もあります。最近はAI音声が話す英語も聞き取る必要があるでしょう。TOEICなどは、アメリカ人、カナダ人、オーストラリア人、イギリス人と4カ国も出てきますから、「リスニングの対象やレベル」を自分で明確に把握しておくことが、具体的で効果がある教材や学習手段の選択をするポイントです。

2.あなたのリスニング力アップの目的は?

  • 英語の音を聞き取れるようになりたいのか
  • 意味を理解できるようになるためなのか
  • TOEICやTOEFLなどのテストでスコアを取れるようになるためなのか
  • 電話会議やオンライン会議でネイティブスピーカーが話す英語を音として聞き取れるようになりたいのか
  • オンライン会議でノンネイティブスピーカーの訛った英語(インド英語とか、シンガポール英語とか)を音として聞き取れるようになりたいのか
  • オンライン会議でネイティブスピーカーが話す英語を音として聞き取って、意味を理解できるようになりたいのか
  • オンライン会議でノンネイティブスピーカーの訛った英語(インド英語とか、シンガポール英語とか)を音として聞き取って、意味を理解できるようになりたいのか
  • 映画のセリフを字幕なしで聞き取れるようになりたいのか
  • 映画のセリフを字幕なしで聞き取れて、意味が理解できるようになりたいのか
  • 洋楽の歌詞を歌詞カードを見なくても聞き取れて、歌えるようになりたいのか

代表的なリスニング力アップの目的を挙げてみましたが、上記はすべて全く異なる練習が必要です。

もちろん、共通項目はありますが、「リスニング力をなんとなく全般的に上げたい」という曖昧な目的のまま何となく対策をしても、思ったような成果を得ることができません。どんな英語を、どんなレベルまで聞き取れる(意味として理解できる)ようになりたいのかによって、やるべき内容や量は異なります。
上に挙げた具体例の中に、ご自身に近いものがない場合や、自分がどこを目指せばいいのかわからない方は、ご相談フォーム https://815mentor.com/contact/から遠慮なくご相談ください。

このような理由から、私はホームページやブログで「はい、これがオススメです」と明言できないし、していないのです。ただ「知りたければメントール英語発音教室のレッスンを受けてください」というつもりも毛頭ありません。

もし周りに英語学習に詳しくて英語を扱えている人(学習に詳しいだけだと用が足りません)がいれば、「リスニングの対象」と「リスニングの目的」を説明した上で、アドバイスをしてもらうと良い答えが得られるはずです。

聞いてはいけない相手は、アメリカのドラマ「フレンズ」を見たりセリフを真似しましょう!とか、CNNなど海外ニュースを見ましょう、といったアドバイスを全ての人にしている人です。

フレンズやCNNは効果がないリスニング教材だ、と言っているわけではなく、海外ドラマやCNNなどの英語ニュースは万人向きではない、ということが言いたいのです。

英語リスニング力アップのコツは、「正しい音読」

TOEICやTOEFLのリスニング対策であれば、具体的な役立つ教材をお伝えできるし、教室のレッスンでは、一人一人の状態や目標スコア、目標とする英語力に合わせて良いものをオススメし、レッスンでも音読材料として使っています。そして、800点、900点なんて無理、と言っていた、自己流に勉強してスコアが頭打ちになっていた生徒さんも、レッスンでお教えした正しい音読方法をやっているうちに、ほとんどの人が800点、900点を突破しています。

正しい音読をすること、これがリスニング力アップのコツです。

「どんなリスニング教材を使うか」も大事ですが、「どんな風に教材を使うか」がとても重要です。
効果を上げるためには、ただ音声を聞いても効果がほとんどありません。正しい音で練習(音読する)することが大事です。

なぜならば、「自分でその通りに発音できる音は、聞き取ることができる」を裏返して言うと、「正しく(その人が発音している通りに)発音できない音は、聞き取ることができない」からです。

ピアノをやっている人なら実感としてわかると思いますが、自分でどの音とどの音を組み合わせているのか知っていて、弾ける和音(ドミソ、とかレファシ のようなもの)は、1回で聞き取れて、再現できる(弾ける)か数回間違えても正解の音の記憶があるので、いくつか鍵盤を変えて試してみれば、聞いたのと同じ和音を再現できますよね?あれと同じことです。

そもそも、ドレミファソラシド の音を正しく記憶していれば、だれかが弾いた音と同じ音を弾こうとして、自分が叩いた鍵盤から間違った音が出ると、「あ、これじゃなくてこっちか」と違う鍵盤を叩いて正解に行き着くことができるけど、そもそも正しい音を出したことがない/出せないと、それは不可能です。

自分で発音できる音は、聞き取ることができるので「ネイティブスピードの崩れた英語を聞き取れるようにするためのリスニングアップには、どんな教材が良いのか」という質問の答えは、「あなたが聞き取りたい英語が、聞き取りたい状態で発音されている音声が入っているものを使いましょう」となります。

つまり、「どんな教材がベストなのか」と言う質問の答えは一つではなく、何を使うにせよ、「どのように使うのか」が最も大事なポイントです。

教材を使うと、レッスンを受けたり講座を受けるよりも安くて時間の融通もききますが、成果が出るまでに時間がかかったり、最悪な場合は、間違ったやり方をしているために成果がほどんど出ない、という可能性が高くなります。

大人は「マネ」で英語発音矯正はできない

繰り返しになりますが、聞き取れるようになるためには、その音声(人間)が発音しているのと同じ状態で発音できるようになる必要があります。しかし、残念ながら「マネ」をすると言う方法には限界があります。これは、言語学の心得がある人なら誰でも知っていることですが、「マネしましょう」という指導は楽だし「マネするだけでできる」というキャッチフレーズはウケがいいのでよく使われがちです。

でも、残念ながら思春期頃(12-13歳ころ)を過ぎると、便利な「マネ」機能が失われてしまうので、聞いたものをただマネすることができなくなってしまいます。子供だって勉強しなくても言葉を覚えられるんだから、大人も同じ方法でマネして自然に覚えましょう!というのは無理です。

(この辺りを専門的に知りたい人は、言語習得 言語獲得装置 臨界期などのキーワードで論文を読んでみると書いてありますが、ほとんどの人は読む必要がありません。一応、私が言っているのは感覚的でいい加減なものではないということの証拠として書いておきます)

自力である程度「マネ」ができる部分もあります。でも、いくら音声ファイルを聞いて同じように発音しているつもりでリピートしても、聞き取れるようにならないと言う悩みの相談はたくさんいただきます。「じゃあ、その発音のマネをここでやってみてください」とやっていただくと、100発100中、「マネ」ができていないのです。その人が悪いんじゃありません。大人は、外国語で音の仕組みや音を理解していないのに単に「マネ」をすることができないからです。

このように、せっかく努力しているのにあまり効果がない音読やシャドーイング、リピーティングを続けている人は多いようです。自己流で効果が低いやり方を続けてしまっている学習者に対する警告なのか、有名な英語の先生でも音読、シャドーイング、リピーティング否定派は一定数存在します。

繰り返しになりますが、思春期頃までの、言語獲得装置(LAD)がまだある子供は「マネ」ができますが、大人はそれができないのです。「マネ」の代わりに、大人は「仕組み」と「コツ」を理論的に理解し、それを繰り返して間違いを修正することで、「マネ」ではなくてネイティブが話している音を「再現」できるようになります。だから、「正しいマネの方法」をちゃんと説明できる先生から習うのが効果的でおすすめです。その手段の一つが、英語発音矯正の個人レッスンを受けることです。

メントール英語発音教室では、「マネしてください」「ネイティブになったつもりでリピートしてください」なんていう、実現不可能で曖昧な指導はしません。誰でもわかって、再現できるようになるまで、具体的に実践的に一つ一つの音の現象をきっちりお伝えし、修正を繰り返します。

これは、ネイティブの素人の先生や、日本人でも、音を直した経験が少ない人や、ロボット、発音アプリにはできません。個別に直す必要があるし、直せばちゃんと直って聞き取れるようになるので、個人レッスンをやっています。

しつこいようで恐縮ですが、「メントール英語発音教室に通う以外手段はありません」と言いたくてこの文章を書いたわけではないので、誤解をしないでいただきたいのですが、直しのプロの指導を最初の段階だけでもいいので受けると、近道で効果は確実です。

その「発音直しのプロ」の選択肢の一つとして、メントール英語発音教室を対象にいれていただければ、もちろん嬉しいです。