専門家

英語の音読は正しい方法でやればリスニング力、読解力、記憶力アップに効果があります。

多くの英語学習者が音読をすすめています。実際に続けて英語力アップの効果を感じている人がいる一方、「音読には効果がない」「音読はおすすめしない」と否定派も多数います。

最初に結論を書きます。英語の音読は正しくやればリスニングと読解力アップに効果があります。
正しい発音でやらないと、リスニング力アップには効果がありません。読解力アップには多少効果があります。

この記事では音読とその効果について英語指導歴20年以上のプロが具体的に解説します。英語音読の個人レッスンで、グローバル企業のアジア代表から国際線のCA, 大学教授、海外駐在員といった英語をかなり使う人達の英語を中上級から上級レベルまでに引き上げた経験を元に、事実をお伝えします。

1.英語の音読とは

はじめに、英語の音読のやり方を簡単に説明します。
文字通り、英文を声に出して読むことを音読と言います。

【効果がない音読の方法】英文の文字面を追って声に出す
【効果がある音読の方法】文章の構造や意味を理解しながら、読んだ内容をイメージや映像化する

記事はTHE JAPAN NEWS
よりお借りしました。
英語表現やが単語に出会いやすくなる

文字を認識

英語が聞き取れる

意味として消化

英会話ができる

音声化

記憶に定着する

音で確認

こんなプロセスで英語の処理が行われます。

声に出さないで読むと、意味や発音を曖昧にしか理解できていない単語があっても、目がごまかして「わかったこと」にして読み進めてしまいがち。でも、音読はごかまして読み進めることができません。

正しく音読するためには、読んでいる英文の単語の意味や文章の構造、発音はある程度わかっている必要があります。
音読は「どんな風に読むのか」に加えて、「どのような英文を読むのか」で結果(効果)に大きな差が出ます。
効果がある音読のための英文の選び方は、この記事の後半で説明します。

効果がある音読は、単語力、文法力、発音力を全て必要とする総合競技

2.英語の音読で得られる4つの効果を解説 

ここまで、英語の音読をするときにどんな技能を使っているのか大まかに解説しました。では、具体的にどのような効果が得られのでしょうか?

2-1 音読でリーディング力が上がる

正しく音読できるようになると、リーディング力が上がります。

音読の練習をし始めてまず最初につく力は、英語の文字を見て音を出す力です。続けると、英文を早く読めるようになります。早く読めるだけでなく、英語を英語のまま理解できるようになるのです。

特におススメなのは、英語を日本語訳するクセがある人。日本人の英語学習者は、英語を日本語に置き換えて理解しようとする人が多く、理解に時間がかかったり、邪魔になったりします。この邪魔なプロセスをやらなくなるだけでも、読む力が上がります。

音読は英語を英語のまま理解するトレーニングと同じ

2-2 音読で記憶力が上がる

正しく音読できると、記憶力が上がります。

なぜでしょうか?音読するとリーディング力が上がって、英語の内容を理解できるようになります。当然ですが、理解できると、記憶できます。記憶できると、正しい音で意味を思い浮かべながら繰り返すのが楽になります。記憶ができると、何度も同じ英文を読むのが楽になります。楽なものを繰り返すのは楽です。だから、記憶に欠かせない「繰り返し」ができるようになるのです。

理解できない単語や文章を記憶するのは難しいですよね?理解できるものが増えるということは、記憶する力も上がるということなのです。

音読は、同じ英語を目と口と耳の3方向から出し入れできるから記憶力の訓練と同じ
一生涯、英語が大フィーバー状態

2-3 音読で文法力が上がる

正しく音読できるようになると、英文法の力が上がります。

内容を理解しながら読める文章を、声に出して読む。これが効果ある音読の方法だと繰り返しお伝えしました。ということは、音読する時は文法力を使います。つまり、文章の構造を理解しながら読み解いていくと、意味のかたまり(※チャンク)で区切ることになります。

「私が目指している英語力は読めて書けて聞けて話せる総合的な力です」という文章があったとしたら、

私が目指している/英語力は/読めて/書けて/話せる/総合的な英語力です

こんなふうに、意味のかたまりで区切れる人は、文章の構造を理解して読めています。
これを、構造がわかっていない人が読むと、例えば下記のように音の数で均等に区切って読んでしまいます。

私が目指 している英 語力は読め て書けて話、、、、

wa(1) ta(2) shi(3) ga(4) me(5) za(6)
shi(1) te(2) i(3) ru(4) e(5) i(6)
go(1) ryo(2) ku(3)wa(4) yo(5) me(6)
te(1) ka(2) ke(3) te(4) ha(5) na(6)

英語のプレゼンテーションやスピーチを聞いていると、上記のように「とにかく息が続くところまで読んで区切る」読み方をする人がいます。内容を理解していれば、気持ち悪くてこのような読み方はできません。意味ではなく音で区切る読み方をすると、「ああ、多分わからない英文をただなぞっているんだな」と思われてしまいます。

私は大学の講義でChatGPTを使って英文スクリプトを作るのは禁止していません。自分で内容を把握できていない英文は、音読を聞けばすぐにバレて本人が困るからです。AIなどのツールは使ってもいいから、「ちゃんと自分で理解できるように変えたり消化したりするように」、と指導しています。

効果がある音読練習は、文法力で構造読み取り力を鍛えるのと同じ

2-4 音読で会話力が上がる

音読を正しくできるようになると、英会話力が上がります。

英単語でも、英語フレーズでも、英文でも、覚えているものは、口からパッと出てきやすいですよね。ここまで説明してきたように、正しい音で発音して、意味を理解しながら音読ができるようになると、良い英語の在庫が増えます。必要な時に出せる英語の在庫があると、心と脳に余裕ができます。余裕があると、相手の話を聞き取ることにエネルギーをたくさん使うことができます。

聞き取れない部分があっても、余裕があるので理解したり、わからないところを質問することもできちゃいます。そして、相手の話に対してどんなリアクションをしようか、考えることができるようになります。つまり、コミュニケーション全体の質が上がって、会話力が上がるというわけです。

音読は出し入れできる英語表現の貯金活動と同じ

2-5 音読効果のまとめ

英語音読の効果
  1. リーディング力が上がる
  2. 暗記力が高くなる
  3. 文法力が上がる
  4. 英会話力が上がる

効果がある正しい音読をすると、4つの技能が上がって、内容のインプットやアウトプットする力が自動化され、かなり脳に余裕ができます。

一度自動化して仕舞えば、英語でコミュニケーションをするのが本当に楽になります。

楽っていう字は楽しいという字と同じ。
楽で楽しい英語コミュニケーションのポイントは、「正しい音読力」だということがおわかりいただけたでしょうか?

3.英語の音読では効果を得られないこと

それは発音です。音読をしても発音は良くなりません。発音を良くするために音読をするのではなく、音読の効果を最大化するために英語発音矯正をやるのが正しい順番です。

「音読する英文に音源があるからそれを真似れば発音だって良くなる」と思うかもしれません。

でも、大人は英語を聞いて「マネ」をすることができません。子供のように発音を真似る方法ではなく、英語の音のルールを理解して練習して修正することでマスターする必要があります。

音読をするときは正しい発音でやらないと効果は半減以下でもったいないです。

音程やリズムが違っている状態で何回歌っても上達しないのと同じです。間違った発音で音読をしても、間違った状態の英語力が強化されるだけです。

調子が外れた音程の歌を何回繰り返し歌っても、自動的に音程が良くなることはありません。

多少、暗記にはつながるかもしれませんが、とても効率が悪い練習方法なので、あまりお勧めできません。効果がある音読をしたい人は、先に発音矯正をしておくと良いでしょう。

4. 英語の音読で最も大事なポイントとは

自分のレベルに合う英文を選ぶ

適切な英語を音読すること。これは効果的な英語音読をするために最も重要なことです。
「何を読むか」が大事。自分の英語レベルと、目的に合う素材を選びましょう。音読用教材も色々売っています。必ずしも音読専用の教材を使う必要はありませんが、最低限、下記の条件は必須です。

音読素材の条件
  1. よく使われている英文(英語フレーズ)であること。
  2. ネイティブライクな英文(日本人が作文したような英文ではなく)であること。
  3. リズム良く読める英文であること。

この条件を満たす英文を、正しい発音とイントネーションで必要な回数音読できるようにしましょう。どんなレベルや目的の人でも、まずはここからスタートです。

書き言葉としては良い英語でも、声に出すと読みにくい英文もたくさんあります。
読みにくい英文を音読すると、余分なことにエネルギーを取られて意味理解の邪魔になり、音読効果の質が下がります。

声に出す英語は、リズム良く読める構造や長さ、単語でできている「音読向き」のものを選ぶことが大事です。英字新聞などは、ライターの癖が出ていて読みにくいものも結構あるので一概におすすめはできません。

選び方に自信がない方は、無料カウンセリングがおすすめ
(リンクをクリックするとご相談ページに飛びます)

今使っている音読テキストや音読素材があなたのレベルに合っているかどうか、正しく診断します。

  • お一人様一回まで
  • 診断して、「その教材はよくないからこれを買ってください」みたいなことはしませんのでご安心ください。
  • 教材は売ってないので、押し売りは物理的に不可能です。発音教室への勧誘もしません。来たいと思わない人を無理に勧誘するのは苦手で嫌いなので、絶対にしません。

5.効果がある英語の音読方法

英語を音読する時に「音出し」と「意味の理解」を同時処理できるようにするのが、効果ある音読のカギ。
読もうとしている単語の発音をいちいち考えなければいけない状態だと、意味理解に集中することができません。

だから、意味理解にほぼ全ての力を集中させるために「考えなくても英語を正しく発音できる状態」をまず作りましょう。歌を歌うときに、譜面を見れば正しい音程や長さ、リズムで音を出すことができれば、歌詞に集中して歌えますよね?それと同じです。

ドレミファソラシドがおぼつかない状態で歌をたくさん歌ってもなかなか上達しません。英語発音を自動化してしまえば脳の処理能力に余裕ができて、意味理解と音出しを同時に進めることができて、意味理解のスピードと深さが劇的に上がります。

6.間違った英語の音読とは

「英文をなぞって、とにかく声に出す」のは間違った音読です。
でも、自己流でやっている人の大半は上記のようなやり方をしているでしょう。心当たりがありませんか?

自己流で音読をしている人の多くはこんな悩みを抱えています。
音読すると、英語の意味が頭に入ってこない

音読すると意味が頭に入ってこないのはどうしてでしょうか?
それは、読み方が「音を追いかけるだけ」のシングルタスクモードになっているから。

初心者が音読をすると「音を正しく出すのに精一杯。意味理解まで頭が回らない」という人が多いです。
音を出しながら内容を理解するのはハードルが高いからです。
音読初心者が二つのタスクを急に同時にできるようにはなりません。

音読をしている途中で、「内容は何でしたか?」と聞くと、「内容まで考える余裕がなかった」と答える人がほとんどです。特に、学校の英語では、発音確認のために音読を生徒にさせる先生が多いので、意味理解よりも声に出して発音することを重視する傾向が強く、こんな学生時代のくせを引きずっている大人が大半です。

英語を音読している時の脳内の処理方法イメージ


この記事でお伝えしたルールを守って、内容を理解しながら練習すると、意味を理解しながら読めるようになります。

7. 音読を実践した人の声とよくある質問 

音読をしている人達の声をネットから拾ってみました。
―ネット民の音読についての感想に、英語発音、音読のエキスパート的観点でツッコミを入れてみます。―

リスニング対策にもなるし、速読もできる。音読は最強

そうなんです!正しく読む力は、聞く力になりますよ。ただしただペラペラと速読しないように注意してやりましょう。

どうも読書の基本は『音読』のようですね。

音を追いながら意味を理解できると、頭にグングン入ってきて最高に楽しいですよ。特に中学校の最初の段階からやるのがおすすめです。

音読はマジで効果ある

そうなんです。実感できるっていうことは正しい方法でできているんですね。

2ヶ月音読ガチっただけで英語の偏差値52から70まで上がった

これまた、正しい方法に出会えて効果が目に見える形で上がってよかったですね。特に受験生は眠くなったとき音読をやるのがおすすめ。声出しながら眠れる人はいませんからね。


単語覚える時に音読取り入れたら世界変わった。

単語でも文章でも、正しい音で覚えておけば聞き取れるし、聞き取れると英語を聞いているときにパッとその単語が耳に入ってきます。見える景色(聞こえる世界)が一気に広がりますよね。

音読になんの意味があるの?と思う人は、とにかく「完全に構造を説明できる英文を暗記する」ことを目的にしてみましょう。英文は九九と同じ。それに触れた分だけ引き出す速度も上がり、あらゆる文構造の理解が早まります。

そう、「完全」というのがポイント。そして、完璧なものを繰り返すことで「引き出す速度」が上がる。効果をうまく説明していてお見事な感想です!

英文構造を明らかにしてきちんと精読をして、それを強くインプットすればいいんです。その手段として、音読が効果的なわけです。

速読、多読をすすめる人もいますが、それぞれ目的が違います。基礎力を総合的に底上げするためにはまず精読、その手段として「意味のある音読」がおすすめです。

オーバーラッピングと音読ってどっちの方がいいですか?オーバーラッピングができれば音読しなくて大丈夫ですか?

オーバーラッピングだと、音を再現することの方に意識が向きがちです。目的が違うので、音と意味両方を追いたい人は音読もやりましょう。

音読って最初何が良いのか分からず「全く成績上がらなそう」って何回思ったことか

独学だと最初そう感じる人が多いでしょう。間違った方法では続けない方が良いです。でも、このコメントをした方は方法を途中で改善するか、最初からやり方が良くてだんだん効果が出てきたから続いたのでしょうね。よかったです!不安な人は、プロの助けをかりましょう。最初が肝心です。

音読って何意識してやればいいですか?

発音、イントネーション、スピード、文章の構造と意味です。



音読っていうのは音声なしでいいんですかね?

正しく読める人は無しでいいです。
正しく音読できるというのは、聞いたことがない曲を譜面読んで再現できるということと同じです。譜面を正しく読んで正しく再現できない人、できているか自信がない人は、音源を聞いてあっているか確認しましょう。
音読はうろ覚えの歌をカラオケで歌うのと同じ。サビだけ知ってて歌える歌を全部完コピするようなつもり(要領、手順)でやると良いです。その歌をちゃんと覚えてないと、歌えてるのか、その歌に聞こえてるか判断できない。先生(判定者)がいない人は、音声素材があるものをやりましょう。

音読って、早く文章を読むためのものだよね?でも、黙読でも同じように早く読めるなら、わざわざ声に出さなくてもいいってこと?

早く文章を読むための音読は、空読まっしぐらで意味がありません。黙読でも頭の中で音声化して読んでいるから適切なスピードで文章の構造をきちんと読み取りながらの脳内音読はおすすめです。
ただ、声に出した方が会話力、リスニング力にもつながるので両方やって効果の違いを感じてください。

8.音読の効果がアップする英語発音矯正:無料体験レッスン

この記事は、私が普段英語発音レッスンや大学のアカデミックライティング、英語プレゼンテーションの講義で実践し、効果を上げた経験をもとに書きました。

全て書いてあることは事実で成功例もたくさんあるのですが、今現在、自己流の音読で効果を感じられない人や、これから音読をやろうとしている人が、自力で正しい方法を身につけられる可能性はあまり高くありません。

私のレッスンを受講してほしいからこのようなことを書いているのではなくて、色々な英語学習者の音読を観察して、驚くほど皆さん自己流で効果が低いやり方を続けてしまっているのを見て来たからです。

私のレッスンでなくても、他の誰かでも良いと思うので、ちゃんとした指導スキルを持っている人に一度診断してもらうか、単発レッスンでも良いので指導してもらうと突破口が開けると思います。ぜひ一度試してみてください。

「この人が言っていることだったら聞いてもいいな/やってもいいな」と思える人が見つかればそれが最強です。

英語教育のために親子が対話をしているイラスト。カジュアルな服装をした男女が、楽しそうにコミュニケーションをとっている様子が描かれている。
英語学習のアドバイス付きで無料体験レッスンを申し込む概念を表現したイラスト。

音読の具体的なやり方

音読の具体的なやり方は、長くなってしまうのでこちらをご覧ください。