英語学習における「チャンク」とは何か

要するに、決まり文句、よく使うフレーズのことです。最も身近な例だとGood morning.もチャンクです。

ネイティブの日常会話はほとんどがチャンクです。
Good morningは、good=良い morning=朝 なので直訳すると「良い朝」ですが、意訳して「おはようございます」という朝の挨拶表現として知られています。どんなに英語が苦手な人でも、Goog morning.と言われたら、Good morning.と返せばいいと知っているから、いちいち単語や文法を考えずに会話が成り立つわけです。
morningだって「モーニング」で通じると知っているので、いちいち「このmorはどうやって読むんだ?」「発音記号は?」なんて考えませんよね。
音も意味も完全に暗記しているものがどれだけ便利なのかがよくわかる例です。
「慣用句」というと受験英語みたいな匂いがして嫌がる人がいるかもしれませんが、Good morningも、in order to〜(〜のために)のような慣用句も全部「チャンク」です。
チャンクはいつもかたまりで意味を持つし、それ以外の組み合わせで使われることはありません。単語数はモノによって違いますが、大体2−4単語、多くても5単語程度です。
英文全体がチャンクになることもあり、その場合はもっと長くなります。
いくつかの単語が組み合わさって、意味を持つもの、決まり文句をチャンクと言います。フレーズと言う人もいます。どちらも同じです。
日本人、英語初級者にもお馴染みのチャンク10選
まずは日本語訳を見て、2−3単語で言えるか考えてみてください。
- おはよう
- いますぐ!
- ありがとうございます
- 調子はいかがですか?
- またね(また後でね)
- すみません、、、
- ごめんなさい
- 気をつけてね
- (調子は)どうよ?
- いいんじゃない。(良さそうだね)
正解チャンクはこちら。
- Good morning.
- Right now!
- Thank you.
- How are you?
- See you later.
- Excuse me.
- I’m sorry.
- Take care.
- What’s up?
- Sounds good.
和訳からピッタリのものを考えるのは難しかったかもしれませんが、見たら全部知っているものばかりだと思います。私たちは、上のチャンクの意訳を知っているから、ネイティブが使っているナチュラルな表現でこれらの英語を言ったり書いたり、理解したりできるのです。
中学レベルで知っている単語の意味で直訳してみましょう。
- Good morning. 良い朝
- Right now! たった今
- Thank you. 感謝 あなた
- How are you? あなたはどのような感じですか?
- See you later. あとで会いなさい
- Excuse me. 言い訳(申し訳) 私を
- I’m sorry. 私は すまない(かわいそう)
- Take care. 世話を取る
- What’s up? 何が 上
- Sounds good. 良く聞こえる
こんな感じで、なんだか意味がわからないものだらけになってしまいますね。
多くの日本人がこの10個くらいの英語チャンクを使いこなせるのは、さんざっぱら意味も含めて見たり聞いたり言ったりしたことがあり、かたまり(チャンク)としてインストールされているからなんです。
上記のようなよく使うチャンクの文法やそれぞれの単語の意味なんてあまり考えたことはないはずで、文章丸ごと、意味のかたまりとして使っているはずです。
多くの日本人はすでに一部の英語はチャンクで学習しているというわけです。

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チャンクは重要?言語習得に役立つ?
言語学でも効果が注目されているチャンク学習法
チャンクの重要性と効果は、長く続いている最新トレンドだって知っていましたか?単語と文法のバラバラ学習より、意味のかたまり=チャンクで覚えた方が学習効率が良いという事実が、ここ20年くらいで注目され、トレンドになっています。チャンク言語学の世界でも注目を浴びています。
学校では単語を覚えて、文法を教わって、英語を正しく作文する練習がメインです。それはそれで大事ですが、あまり実用的ではないと批判されているし、そう感じて学校英語、受験英語が嫌になった人が多いのは事実です。
だから単語や文法をやらなくていいとか、これらは役立たないということではなく、今までやってきたことに+でチャンク学習法を追加すると、効果爆上げ、ということなのです。
語彙研究の大家で、言語学を学ぶ人なら誰でも知っているPaul Nation教授も、チャンクの重要性を強調しています。
チャンクは英語上達に役立つか
どうしてチャンクで言葉を覚えた方が良いのでしょうか?それは、人間の脳が単語を単独で覚えるより、意味のかたまりの方が言語を覚えやすくなってきたからです。よく使う意味のかたまりを覚える方が、いちいち単語を組み合わせたり文法を考えるより簡単で効率が良いのです。
※細かいことを書くと長くなるので割愛しますが、そのことを具体的な数字で示した研究結果も多数あります。興味がある人は「参考文献」を読んでみてください。ここに書いてることを信用できるなら読む必要はないし、読む暇があるなら一つでも多くチャンクを覚えた方が良いです。言語学者とか大学の先生になりたい人は読んだほうがいいかもしれません。
「チャンク」学習の利点
英語をチャンクで覚えると、以下4つのメリットがあります。
- ネイティブの英語がパッとわかる
- 流暢に話せる
- 上達スピードが上がる
- モチベーションが上がる
それぞれ具体的に説明します。
1.ネイティブの英語がパッとわかる=慣用表現がわかる
ネイティブスピーカーや、ネイティブに近い英語レベルの人が小慣れた英語表現を使うと、意味がわからないことがありませんか?
例えば「のれんに腕押し」は、ヒラヒラ揺れる布(のれん)に向かっていくら力をこめて押しても手応えがないことを表現した慣用句です。日本人ならすぐわかりますが、のれんを見たことがない外国人がパッと聞いて意味を理解するのは難しいでしょう。
こういう慣用句、決まり文句はチャンクとして意味も発音も表現もセットで覚えておけば、使った時にパッと意味がわかります。
英語の例だと、When pigs fly.という慣用表現があります。
豚が飛ぶ時、直訳したら何のことだかわからないでしょう。
これには、豚が飛ぶなんてありえないことから、ありえないことが起きる時に使う慣用句です。
知らなかったら、何の話だかさっぱりわからなくて困りますよね。whenもpigもflyも知っているし、文章もわかるし和訳もできるのに意味がわからない、、
慣用表現、チャンクで英語を覚えればこんな悩みは解決し、英語を英語のまま理解してコミュニケーションできます。
2.流暢に話せる
特に会話では、テンポの良さやスピードも重要。英会話の先生だったら、一生懸命作文した不自然な表現でも、ゆっくり話しても途切れ途切れの英語でもなんとか理解してくれます。これが友達とかビジネスだと、相手がイライラしてしまったり、面倒なので適当に話を切り上げられてしまうなんていうことも。
ネイティブに迎合する必要はありませんが、相手が知っていて、普段から使っている表現で会話やメール、テキストのやり取りをした方がパッと通じて、流暢さがアップするのがチャンクのメリットです。
3.上達スピードが上がる
チャンクのいいところは、「かたまりのまま覚える」こと。文法が苦手でも覚えているものは使えます。出し入れも簡単な分、英会話や英語のコミュニケーション上達のスピードが上がりやすいのがメリットです。
4.モチベーションが上がる
3の上達スピードと連動していますが、早く上達を実感できればできるほどやる気が湧いてくるのはごく当たり前のことです。モチベーションが上がれば、続けられます。続けて知っているチャンクの数が増えれば、上達がさらに加速してモチベーションも上がります。
※これについては、マイケル・ルイスという学者が「レキシカル・アプローチ」(言語の塊を使った言語教育法)を提唱して、その重要性を訴えています。
「チャンク」の選び方と学習方法のポイント
チャンクは、何を選ぶかと、どう使うのかが大事です。重要なポイントは以下の3つ。
- 良いチャンクを選ぶこと:良いチャンクは2−4単語、ネイティブが良く使っているもの。
- 意味も発音も丸暗記すること:ネイティブの英語をパッと聞き取るためにも、ネイティブの発音で覚える。
- 自分が覚えたチャンクを頻繁に使うこと:覚えても忘れたら意味がありません。忘れないようにするためには頻繁に出し入れをする。
上記3つを守るためには、良質なチャンクがたくさん載っている素材を使うこと。特にチャンクの初心者はまずどんなものがチャンクで、どんなチャンクがよく使われているのか正しい基準をインストールするのが成功の秘訣です。
良いチャンクは、あまり長すぎないことも大事です。初心者はまず2から長くても4単語程度のチャンクを中心に覚えるのがおすすめです。あまり長いチャンクを選んでしまうと、ネイティブスピードで正しい発音やイントネーション、崩し(リダクション)を入れた状態で口に出して練習できないからです。
例えは、Get up. 起きて。はゲット アップのように1単語ずつ発音せず、tとuをくっつけて(リエゾンさせて)、tをラ行音化(フラッピング)して、ゲラップのように発音するネイティブが多いというのは有名な話です。
チャンクは、単語をバラバラに覚えるのではなく、意味も音もかたまりとしてそのままの姿形で覚えることが大事です。
何度も口に出して、まずは音で暗記しましょう。音を覚えたら、英語を読んだり見たり聞いたりする時、その覚えたチャンクが「どこかで使われていないかなー」と、探しにいくつもりで出会いの場と頻度を上げる「チャンク探し活動」をしましょう。
人と同じで、まずは顔を覚えて顔見知りになり、今度はその人を人混みに探しに出かけたり、「あの人どんな人かな?xxにいそうだな、いるかな?」と、知っている対象を意識して出会いに行き、知っている人と出会ってコミュニケーションできるので、特徴を覚えて忘れなくなる、というサイクルを作ります。
そうやって関係が強く深くなっていくのです。顔も覚えてない人は、何回会っても認識できないし、覚えられないし理解できません。
闇雲に英語を聞いたり話したりするのではなく、ちゃんと覚えてから出会いに行くような触れ方をしましょう。それが、チャンクで英語をマスターするチャンク学習法です。
「チャンク」学習法を用いて成功した学習者の事例紹介
チャンクをたくさん覚えて言えるようになった学習者の例を紹介します。
まとめ:英語チャンクを使えば英語力が飛躍的に伸びる
チャンクを使うと英語力を伸ばすのに効果があることを理解していただけたでしょうか?
長くなってしまうので、具体的なチャンクの例は別のページでご紹介します。
- 日本人にも馴染みがある英語チャンク
- 日本人が思いつかないネイティブ英語チャンク
- 日常会話のカジュアルな英語チャンク
- ビジネスでも使う敬語の英語チャンク
- 子供が使えるチャンク
こんなチャンクを10-20個ずつ紹介していきます。
チャンクの一部の単語を答えて正解を確認する楽しいテスト形式なので、「英語で言えそうだけど、実はちゃんと覚えていない英語表現」をチェックできます。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

メントール英語発音教室のレッスンでは1回30分、20-24レッスンでネイティブがよく使う1000個のチャンクをネイティブスピードで発音できるようになります。どんな感じか、無料体験レッスンで試してみてください。












