大谷翔平は英語が話せない?話さない?通訳は必要?必要ない?

今まで大谷選手の全てを英語にしていた影武者のような存在だった水原氏が急に不在になり、アメリカのメディアではかなりはっきりと言っています。

Otani doesn’t speak English. 大谷は英語を話さない。

一方で、このような意見も複数ありました。

Shohei doesn’t need an interpreter now; he can speak English well. The reason he had Ippei was that he wanted to fully interpret his words carefully without messing up what he said.
彼は今となっては通訳は必要ない、英語がかなり話せるんだから。(水原)一平を必要なのは、自分が言わんとしていることを全て、細かいところまでちゃんと訳して欲しいからだろう。

It should be a rule if you’re in the USA, you have to speak English. Because foreigners get over that way.
アメリカにいるんだったら英語を身に付けることを義務にするべきだ。(他の)外国人だってそうしてきたんだから。

実際には、チームメイトとちょっとした会話をしたり、インタビューの時でも簡単なことは自分で言うこともあるし、質問もシンプルなものなら理解しているようですから「英語を全く話さない」ということではないし、アメリカの人達もそうは思っていないでしょう。doesn’t であってcan’tではないという点が大事です。

日本人は、「英語が話せない」と「英語を話さない」を同じ英語 “can’t speak”としがちです。
話さないのと話せないのは違うけど、意識してなのか無意識になのか、謙遜なのかわかりませんが、ほとんどの人が話「せない」can’tを使っています。大谷選手に関しても「大谷翔平は英語が十分話せないから通訳が必要だ」というような表現がよく使われています。

大谷選手はもはや通訳なしで英語で色々自力で対応できる力がついたのでしょうか?野球選手が「通訳なしで大丈夫」な英語力とはどのくらいのものなのでしょうか?

通訳なしで練習、試合、ファン、マスコミ対応ができる英語レベルとは

「通訳なしで大丈夫な英語レベル」はその人が置かれている環境や職業によっても違います。
大谷選手のように、プロのアスリートとしてアメリカで生活、仕事をする人が必要な「通訳なしの英語レベル」とはどのようなものでしょうか。

1.基本的なコミュニケーション能力
アスリートは最低限、試合戦略に従い、コーチの指示を理解し、チームメイトと基本的なやりとりをするための基本的な英語コミュニケーション能力が必要です。これは、自分の専門のスポーツに関連する一般的なフレーズや語彙を理解し、質問したり、例えばフォームや作戦に関する考えや提案などを表現する力です。

アスリートに限らず、仕事ならその人の専門領域や業界のこと、競合企業や顧客企業、そこに関係する固有名詞とその情報などです。人によって、使う表現や語彙はかなり違います。

おそらくですが、大谷選手はここに関してはかなり習得していると思われます。
ただ、例えば故障した時の体のことや、フォームや作戦についての表現はまだ自分が思ったような詳細を英語で言うことはできないのではないかと思います。

2.応用的なコミュニケーション能力
チームメイトや監督などとより深く関わったり、簡単なインタビューやファンとの交流をこなすには、ネイティブがナチュラルスピードで話す崩した英語を聞き取ったり、口語的で慣用句的な決まり文句(チャンク)を幅広く知っている必要があります。
また、試合のパフォーマンスに関する考えを述べたり、感情や戦略を説明したり、カジュアルな会話に参加したりするなど、より微妙な言葉の理解が必要です。
大谷選手はいつも水原氏が話す英語や仲間が話す英語を耳で理解しているので、リスニング力は相当ついていると思います。
ただ、2024年1月29日にMVP受賞祝賀会で英語スピーチをした時も、普段から繰り返し聞いたり使ったりしている英語表現についてはかなりネイティブライクな発音とイントネーションで上手に言えていたのですが、そうではなさそうな部分については、日本語的な発音やイントネーションと、おぼつかない感じの発音になっていました。
このことから「なんでもある程度思ったとおり、もしくはつたない表現になってしまっても、どうにか英語で言える」と言うレベルの英語にはなっていないと思われます。
※批判したり上から目線で分析しているのではなく、あくまで「私がチェックした100本程度の動画での大谷選手の英語から考察するとこう見える」ということを憶測レベルで書いているだけです。

3.上級レベル
英語圏のメディアとの完全なやりとり、詳細なインタビュー、記者会見、ソーシャルメディアや文書によるファンとのより深い交流のためには、上級レベルの英語力が必要でしょう。このレベルでは、文法をしっかりと理解し、豊富な語彙、慣用表現を理解し使いこなす能力、複雑なアイデアを明確かつ効果的に議論する能力が必要です。

また、ネイティブライクなスピードとリダクションされた英語を聞き取る力もかなり必要とされます。

おそらく、今現在の大谷選手の英語レベルは1と2の間くらいなのではないでしょうか。

通訳なしで英語圏で英語で上級レベルのコミュニケーションができている日本の有名人は?

「英語圏のメディアとの完全なやりとり、詳細なインタビュー、記者会見、ソーシャルメディアや文書によるファンとのより深い交流のためには、上級レベルの英語力が必要でしょう。このレベルでは、文法をしっかりと理解し、豊富な語彙、慣用表現を理解し使いこなす能力、複雑なアイデアを明確かつ効果的に議論する能力が必要です。」と書きましたが、これができている日本人で、私が思いつくのはX JapanのYOSHIKIと、今、ドラマ「将軍」の主演&監督として世界で最も高い評価を得ている俳優の真田広之です。

TOEIC満点レベルなら通訳は不要?

TOEICが満点だろうが、英検1級だろうが、TOEFLやIELTSが満点だろうが、海外駐在、留学経験が長かろうが関係ありません。
「通訳が不要な英語力」で求められるレベルは人それぞれだからです。
だからと言ってTOEICや英検なんて役に立たない、と言っているわけではなく、試験で測れるような英語力では通訳の要不要は判断できない、ということです。
わかりやすいせいなのか、なんでもTOEICのスコアなどで測ろうとする人がいるので、ここで先に牽制しておきます。
また、「TOEICでハイスコアを取ったって英語で自力でコミュニケーションできない人もたくさんいる、だからTOEICなんて役に立たない」というような主張をする人もいますが、これも的外れです。
通訳不要な英語力をつけたいなら、逆にTOEICのように決まったフォーマットで、ある程度のサイズの語彙しか登場しないような英語くらい理解できないようでは、どんな英語が出てくるかわからない日常や仕事で通訳なしでコミュニケーションするなんて到底不可能です。

まず大前提として、自分がコミュニケーションをする相手が知っている/使っている程度の単語や表現は9割がた知っておく必要があります。

ビジネスや旅行、生活周りの用事で必要な人とのコミュニケーションにおいて、TOEICに出てくる単語や表現は必須です。別にTOEICを薦めているわけではありませんが、偏見でTOEIC不要論を唱えて、必要なものを身に付ける機会を失している人があまりにも多いので、お伝えしておきます。

用事を足すための英語に加えて、海外で通訳なしに仕事や生活をするために必要は英語力は、こちらです。

通訳をつけるデメリットは?

通訳を利用するメリットは多々ありますが、特にプロスポーツ選手がチームメイトやファン、ジャーナリストとコミュニケーションをとる場合、デメリットもそれなりにあります。
代表的なものを挙げてみます。

伝えられる内容量が減る

例えば持ち時間が30分だったら、通訳が話す分を少なく見積もっても、伝えられる量が半分以下になってしまいます。ただし、英語力が不十分な人の場合、通訳を入れることで伝えられる量と質がアップする可能性はあります。

ニュアンスがうまく伝わらない

言語にはニュアンスや慣用句、文化的な要素が多いので、直訳するのは難しいことがあります。通訳が話者の感情、皮肉、ユーモア、微妙なニュアンスを正確に伝えられるとは限らず、誤解されたり、伝えたい雰囲気が半減する可能性があります。

水原氏が高く評価されていたのは、ここの部分ができていたところも大きな要因だと言うのは誰もが知るところですよね。

タイムラグ

翻訳を通すと、質問と回答の間にタイムラグができます。会話の自然な流れが妨げられ、やり取りが不自然というか分断された感じになる場合があります。

水原氏は、この点も抜群だと評価されていましたね。

いつまでも英語力が上がらない

通訳に頼りすぎると、上達の必要性やモチベーションが上がらない原因にもなります。ちょっとしたコミュニケーションが生まれる機会を逃してしまいもったいないことになる場合もあります。

大谷選手が今後、試合前後のインタビューなど公式な場以外の、チームメイトやその家族とのイベントなどで自力でどうにか英語を話すことによって、この辺のスキルはかなり上がると思われます。すでに結構あるのかもしれませんね。

プライバシーの問題

デリケートな話題や個人的な話題について話す場合、通訳の存在は、本来ならプライベートな会話であるはずの場に第三者を介入させることになります。

誤訳の可能性

正しく通訳できるかどうかは通訳者の英語力だけでなく、その専門分野や人物についての知識や言語能力によって大きく左右されます。適切な知識や言語力を持った通訳を選ばないと、誤訳されるリスクもあります。

コスト

プロの通訳者を雇うには費用がかかります。

オーディエンスからの信頼や支持の低下

通訳が入るとどうしてもコミュニケーション相手と距離感は生まれます。特にアスリートの場合、ファンと直接感情的なつながりを築いたり、自分の人間性を正しく表現したりする妨げとなる可能性があります。

イメージへの影響

通訳を使わないとコミュニケーションできないアスリートは、自分のカリスマ性を十分にアピールできなかったり、能力を疑われたりするリスクがあります。実際、ノンネイティブでも英語を頑張って自力でやっている人が多数いるので、それができないということは「努力するつもりがない」「能力が足りない」などのレッテルを貼られる場合があります。


このような理由から、海外で活躍する多くのアスリートやプロフェッショナルは、自力で英語によるコミュニケーションができるように頑張っている人がいます。

大谷翔平選手は、自力で英語を話すべき?

大谷選手の英語力についての考察、通訳をつける場合のデメリット、通訳をつけずに自力で英語を使って海外で活躍している有名人を紹介しました。
意見は人それぞれなので、どうするべきとかどうした方がいいというのは私が断じるべきことではないと考えています。

最後に、私が大好きでとても尊敬しているウクライナ出身のボクサー、ロマチェンコを紹介します。

彼はボクシングの本場、アメリカでやっていくからにはやはり英語力は絶対に必要だとキャリアの初期から決心して、徐々に上達してきています。
最初は質問だけ通訳してもらってかなりつたない英語でどうにか答え、英語力を必死に磨いてきました。
現地メディアやファンからもその姿勢は高く評価されており、私は他人事ながらとても誇らしい気持ちになり、彼の英語力の上達をずーっとチェックしております。

最近は、「ロマチェンコは自力で英語でインタビュー対応する人間」との評価を受けているのか、インタビュアーも質問はシンプルにゆっくり目に言ってくれていて、ロマチェンコはしっかりと英語で自分の考えを述べています。数年かかっても、ここまでできるようになるし、それがそのスポーツの本場の国で高く評価されるという良いお手本でもあります。

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大谷選手は、どうなるでしょうか?今後も動向を追っていきたいと思います。
大谷選手のことはともかく、自力で英語を操れるようになりたい人は、自分が今現在持っている力をきちんと把握することと、目的やゴールを明確に設定することが成功の鍵です。
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