私たちが目にしたり耳にする英語は、必ずしもネイティブライクな表現や文法、語法的に正しいものばかりではありません。特にSNSでは文章、表現、単語に「文法的な正しさ」「用法的な正しさ」はあまり求めない方が良いでしょう。
LineやWhatsAppなどのテキスト、チャット類も同様です。
言葉どころか、絵文字や顔文字も混じって文化や世代感が出まくりの世界です。
間違いや例外に目くじらを立てるより、「そういうもの」として慣れたもの勝ち、という面もあります。
この記事では、SNS、日常会話、ビジネスにまで幅広く使える最新の英語フレーズ、英語表現を紹介します。
最新の英語は、最新のイベントに対するSNSのコメントから拾ってくるのが一番。量も多いし、新しさではダントツです。自分ではそんな流行語は使わない、という人でも、誰かが使っているときに意味を知っている方が内容を理解できて便利です。
英語を使う人なら知っておきたいアメリカの文化
英語圏で生活をした経験がなくても、今はネットで様々な情報を手に入れることができます。英語を使って生活や仕事をしている人達が話題にしそうなものは、可能な範囲で知っておくと英語力不足の部分をカバーできます。その一つが、スーパーボウル。
アメリカ最大の広告効果がある枠とも言われているのが、アメリカンフットボールのプロリーグ「NFL」の優勝決定戦である「スーパーボウル」。その中でも注目されているのが、試合の間に行われるビッグアーティストによる「ハーフタイムショー」です。
毎年、誰がパフォーマンスするのか、どんな内容なのか、どんな衣装を着るのか、シークレットゲストはいるのか、それは誰なのかなど、話題に事欠きません。そして、ハーフタイムショーの出来について、お茶の間(古い言い方!)やSNSも沸騰します。
私はアメリカに住んだことがないのでスーパーボウルを楽しむという文化はありませんが、ハーフタイムショーは毎年注目し、前後のインタビューも含めてチェックしています。
2022年まではペプシがスポンサーをしていましたが、2023年からアップルミュージックがスポンサーになりました。ペプシがスポンサーしていた時代はなかったのですが、パフォーマンスが終わった後、アーティストのニューアルバムを紹介して、「そちらもよろしく!」って言っていたところが、音楽産業の会社らしいですよね。
アッシャーのYeah!は英語ビジネス必須曲?
2023年はリアナ、2024年はアッシャー(Usher)がパフォーマンスをしました。アッシャーは、Yeah!という曲がめちゃくちゃに売れたので、洋楽とは縁遠い人でも聞いたことがあることでしょう。

2004年全米で最も売れたこの曲は、今ビジネスシーンで活躍する中高年世代が大学生の時に嫌になる程聞いた曲です。ファンでなくても、聞いたことがない人はいないと言っていいくらいのヒット曲。今でも若者がこの曲をアレンジしてTikTokやインスタグラムでダンスを披露したりしています。
ウィル・スミス主演「最後の恋の始め方」(洋題はHitch)は、ウィル・スミスがデートアドバイザーのような役回りをする映画ですが、この映画で聞いたことがある人もいるでしょう。
モテない男がデートの時に音楽に乗って自然に体を動かす時のアドバイスを受けるシーンで登場します。Yeah!に合わせてピザをこねる動きのダンスをする姿がキモしろくて(キモいと面白いの造語:私が作りましたw)頭から離れなくなります。
英語圏でビジネスをする機会がある人は、ディナーとか軽い飲み会、ホームパーティの場などで洋楽に遭遇する可能性があります。知らない曲ばかりだとしらけてしまいますが、ちょっとでも知っている曲がかかると嬉しいですよね。
洋画や洋楽のことを少しでも知っておくと、「あの映画のダンスレッスンで出てきたよね!」のような会話ができて、パーティや飲食のシーンで盛り上がることができておすすめです。
SNSのコメント欄は、最新の褒め言葉、ポジティヴな評価の英語フレーズが満載
この記事では、2024年2月に行われたハーフタイムショーで、アッシャーのパフォーマンスに対するSNSのコメントから、よく使う英語表現、英語フレーズを抜粋して紹介します。
全てがビジネスに使えるというわけではないのですが、褒めたり何かを評価する表現のバリエーションを増やしておくと、コミュニケーションの質が上がるので、ビジネスにも役立つと言えるでしょう。
英語を使う人たちは、「こういう表現を使ってイベントや人を評価する」という視点で読んで、自分でも使えそうなものをチェックしてみてくださいね。
アッシャー(Usher)って何者?
アメリカのエンターテイメント業界には、想像を絶するレベルの大ヒット曲を持つアーティストが大勢います。アッシャーもその1人。字数が多くなってしまうので、調べてみてくださいね。1978年生まれの彼は2024年現在、45歳です。今回はその年齢を感じさせないキレの良いダンスと歌が絶賛されていました。
ハーフタイムショーのライブは、いつもYouTubeでスポンサーのオフィシャルチャネルに公開されます。今回はそこのコメント欄上位から500人分くらいを拾ってChat GPTで分類しました。
アッシャーのパフォーマンスに対するSNSでの評価は?
上にも書いたように、ほとんどがとてもポジティブなコメントでした。ハーフタイムショーのパフォーマンスはおよそ13分。アリシア・キーズ、リルジョン、will.i.am、h.e.rなど豪華なゲストパフォーマーも登場してサポートしたとはいえ、現役感が薄れてもおかしくはない年齢のアッシャー。彼の堂々たるパフォーマンスは、努力の賜物です。
ハーフタイムショーへの意気込みなどをインタビューなどでチェックしました。タバコ、砂糖、アルコールを全てカットし、ローラースケートは毎日4時間も練習して最強のコンディションで挑んだアッシャー。オープニングで着用したドルチェ&ガッバーナの衣装がピッタリ決まる体型に調整するのは至難の技だったことでしょう。
そんな妥協を許さないルックスからダンス、歌声に至るまで、惜しみない賞賛の声があがっていました。ここから、SNSで使われるポジティブな評価の英語表現を紹介します。
ネイティブ、ノンネイティブがSNSで使う英語の形容詞
この中で、使ったことがある形容詞はありますか?ちょっと量が多いですが アルファベット順に並べてみました。いくつ知っていましたか?
amazing/awesome/beautiful/best/breathtaking/brilliant/classic/dope/electric/emotional/energetic/excellent/exhilarating fantastic/fire/flawless/fun/great/iconic/impressive/incredible/inspiring
/legendary/lit/magical/magnificent/marvelous/masterful/mesmerizing/nostalgic/outstanding/phenomenal/powerful/remarkable/sensational/spectacular/stunning/superb/talented/thrilling/timeless/unforgettable/uplifting/vibrant/wonderful
和訳は、文章とか状況設定によって違うし、日本語訳を当てると不自然なものもあるので、載せないことにします。英単語にはいろいろな意味があるので、一つの意味だけ選んで載せるのって難しいなあといつも思います。気になるものは、調べてみてくださいね。
音声でも聞いてみよう
使用頻度別ネイティブ、ノンネイティブがSNSで使う形容詞
上で紹介した形容詞を、使用頻度別に高、中、低で3グループに分けてみました。
このグループの形容詞は、年齢を問わず日常会話からビジネス、かなりカジュアルな場面まで幅広く使えるし、使われるものばかりです。知らない人は覚えておきましょう。
amazing
awesome
beautiful
best
great
fun
impressive
incredible
wonderful
元の英語音声は、世界的大物YouTuberのミスター・ビースト(Mr.Beast)の声です。彼の声はデジタル音声の中では比較的生声に近いので、こちらを使いました。賞賛する形容詞なのに平坦な声だと感嘆した感じがでないので、一般的なネット辞書の音声はイマイチなことが多いです。音の感じを知るための参考にはなると思いますが、日本人があれを目指すとすごく平坦な発音になってしまうので気をつけて活用してください。
このグループだけ、簡単に音の強弱を解説した音声をつけておきます。
自分の声で練習してみてください。
その際、「自分は全然ネイティブな英語にならない」とがっかりする必要はありません。声質が違いますから。※英語と声質については、こちらの記事を参考にしてください。
・ここの単語は、特に人と気が利いたコミュニケーションを取りたい人は使いこなして欲しいものばかりです。そして、受験やTOEICなどのテスト英語ではあまり出てきません。正しいだけの中級英語から、ちょっとネイティブライクな上級英語レベルになりたい時に押さえておきたい単語が勢揃いです。
brilliant
classic
emotional
energetic
excellent
fantastic
flawless
iconic
inspiring
magical
nostalgic
powerful
remarkable
stunning
superb
talented
timeless
uplifting
vibrant
・このグループの形容詞は、日常会話くらいしかしない人は覚えなくてもOKですが、若者やネイティブと会話する機会がある人は知らないと困ることがあるかもしれません。
breathtaking
dope
electric
exhilarating
fire
legendary
lit
magnificent
marvelous
masterful
mesmerizing
outstanding
phenomenal
sensational
spectacular
thrilling
unforgettable
形容詞を単体で和訳してもあまり意味が通らないというか、文脈によって訳が違うので、英語だけを載せておきます。
全てとてもパワフルでポジティヴな褒め言葉なので、今の自分の英語力とか使用状況に応じどのグループを制覇するか選んで、声に出して練習してみてくださいね。
英語でも漢字でも、「使わないと覚えられない、使うと覚えられる」というのは同じです。形容詞をモノにするコツは、それぞれの形容詞い合いそうなものを思い浮かべて、形容詞を入れた説明を英語でしてみることです。
想像するだけでなく、口に出してみたり、聞いたり動画で見たりして、意識的に記憶に焼き付けましょう。「無意識に聞き流す、ランダムに観る」は記憶に残りにくいのでお勧めしません。
英語でSNSで褒める、感想を伝える短いフレーズ
アッシャーのパフォーマンスについての賞賛やポジティブな感想表現を紹介します。
英語的な表現が多く、日本語に訳すと変な感じになってしまうので、わかりにくそうなものだけ、ちょっと補足の説明を入れておきます。
A true professional at his craft.
アッシャーの仕事に対する姿勢は、まさにプロフェッショナル、職人技レベル。craftは手腕とか技能という意味でよく使います。
Brings back so many memories.
アッシャーが大ヒットを飛ばしていた時代(音楽業界でまだCDが売れていてビッグヒットが続出していた頃)を思い出した人も多いようですね。似た感想がたくさんあがっていました。
Dancing and singing takes a LOT of talent.
lotをわざわざ大文字にし(capitalizeといって、強調したいときにわざと大文字にする手法)ているところに気持ちが表れていますね。
Energy speaks volumes.
パフォーマンスから感じられるエネルギーレベルの高さをボリュームで表現しています。
Gave it his all.
これは決まり文句で、「最大限の力を発揮した」とか「全身全霊で取り組んだ」という状況の時に使います。
Had the whole area jumping.
あの場にいたら、盛り上がって体を動かす人の影響で会場が揺れていたでしょう。
He owned that Super Bowl Halftime stage.
試合もさることながら、ハーフタイムショーがあの夜を席巻してしまったと感じてのコメントですね。
Hits after hits.
ヒット曲のメドレーだったので、「ヒット曲に次ぐヒット曲」というわけです。スーパーヒットメーカーだからこそできる業。
Iconic moves.
アイコニックという言葉は日本語にしにくいですが、最高の褒め言葉です。
Live singing, classic dance moves.
クラシックというのは、この場合とてもポジティブな褒め言葉です。使い方によっては嫌味というか、「古臭い」という意味にもなります。
Nailed it! So proud of him.
nailは爪という名詞の意味で知っている人が多いと思いますが、実は動詞としてよく使います。釘付けにするとか、核心をつかむという意味です。このNailed it!は、心を鷲掴みにされたという感じですね。
Nostalgic chills from a 90’s baby.
ノスタルジーはカタカナ語として普及しているし、最近はチルもカタカナ語で知られているので、この表現の雰囲気は和訳がなくてもわかると思います。
Pure talent and a fun, good time.
Ran from different stages, roller skates.
見たままの意味です。ちなみにアッシャーは近年ローラースケートのパフォーマンスをツアーでもやっていますが、ハーフタイムショーのために1日4時間以上練習したそうです。すごいプロ意識。
Real stage energy that lacks nowadays.
最近は、なんでもデジタル配信が主流だし、ハーフタイムショーを口パクでやるアーティストもいて批判されたりしていたので、肉声で踊りながらやり遂げたアッシャーのステージから感じられるエネルギーを賞賛しての言葉ですね。
Singing live doing all that is very impressive.
The greatest performer in the World.
Took me back to 2004.
Yeah!が大ヒットした年のことです。それくらいあの時の盛り上がりが感じられたってことですね。
True icon.
The voice and moves were on point.
Waited for this moment…and delivered.
What a throwback.
throwbackは懐かしいという意味のスラングで最近使われています。
知っている表現はありましたか?他にも限りなくありますが、こんな風に拾って、自分で使えそうなものを覚えて使ってみましょう、という例として紹介しました。
生の英語がいつでも大量に手に入る時代、使わない手はありません。
活きた英語をインプットし、アウトプットもできる
知るだけでは活きた英語を使えるようにはなりません。今回の記事を読んでコツを掴んだら、自分でもSNSにコメントをしてみましょう。誰かがコメントを返してくれるかもしれません。
日本語でも、色々な人が1つのことに思ってもみなかったようなコメントをしていたり、やっぱりね、と思うようなコメントをしていたり、価値観の違いや多様性を身につける手段としても活用できます。
インプットするだけでなく、アウトプットもすると自分のものとして使えるようになるので、感動したりすごいと思う投稿があったらぜひコメントしてみてください。
私は、個人商店を応援したいというポリシーがあるので、海外に行ったときにローカルの個人経営レストランや小さな店があったら、その様子を具体的に英語で書いてシェアしたりレビュー(ポジティブなコメントに限る)を投稿するようにしています。そのために、普段から英語の投稿を注意してチェックし、表現の在庫を増やすようにしています。
SNSで英語を勉強する際の注意点
冒頭でも書いた通り、SNSの英語は必ずしも文法や語法が正しいものばかりではありません。書き言葉も会話も、ちゃんとしたお作法が必要な場面ではできるだけ正しい言葉を使い、気にしなくて良い場面では新しくて多少崩れた表現もどんどん使うなど、「正しい使い分け」を心がけるのがおすすめです。
私の英語発音矯正レッスンでは、生徒さん一人ひとりのレベルや英語ニーズに合わせて使い分けのためのコツや、単語、表現なども散りばめてお教えしています。英会話とか英語コーチングなどを受講する人は、そういったスキルもある人を選ぶと英語力の伸び具合がかなりアップします。
参考にしてみてください。
