ドジャースの大谷翔平選手が2024年2月29日、自身のインスタグラムで結婚を発表しました。
「日本語と英語で、それぞれ全く異なる文章で報告した。」
と、一部のメディアが取り上げていて面白そうだったので深掘りしてみました。
全体的に言えるのは、
「海外のメディアはメディアの性質に関わらず、大谷選手をちゃんと野球選手として扱っている」
ということ。
ここから具体的にどうしてそう思ったのか、説明します。
日本と海外では表現方法が違うから?
「日本語と英語で、それぞれ全く異なる文章で報告した。」これに対して、下記のコメントがありました。
「言葉のチョイスというか全体的に表現の仕方が違うよね。日本向けは慎ましやかで謙虚な印象なのに対して、アメリカ向けは幸福感をより直接的に表しているね。日本とアメリカ(海外)の文化や感覚の違いを意識したものじゃないかな。 そして日本語版にだけ「…今後も両親族を含め無許可での取材等は、お控えいただきますよう宜しくお願い申し上げます」なんてことを書かれてることについて、日本のメディアは大いに猛省してほしいね。」
Yahoo!ニュース「大谷翔平が用意した”2つの結婚報告” 日本語と英語…あえて変えた「言葉のチョイス」」のコメント欄より引用
同じことを伝えるのでも、英語と日本語では表現方法も違うし、その情報のどこに焦点を当てるのかも違います。上記コメントの「表現の仕方が違う」については納得いくし賛成です。それ以降の見解については、反対だとか妥当性が低いとは思わないのですが、断言できるほどの内容かはわからないので、実際にどうなのか調べてみることにしました。
日本にいても海外や英語圏の文化を理解できる?
海外で生活したことがなくても、今は日本にいながらにして英語圏の文化をある程度理解する方法はいくらでもあります。
逆も然りで、日本に一度も来たことがないのに、びっくりするくらい詳しく深く日本のことを理解している外国の人が少なからずいます。
好奇心を全開にして調べれば、ある程度理解することができるのはインターネットの恩恵ですよね。
というわけで、実際に英語圏の人たちが、大谷選手の結婚についてどんなふうに報じているのか調べてまとめてみました。
大谷翔平の結婚報告って英語でなんていう?
大谷翔平の結婚報告についてメディアがどんな報道をしているのか調べるためには、適切なキーワードで検索する必要があります。
今回は、Ohtani Shohei marriage announcement(s)です。
日本語だと「報告」なのでreportで検索したくなると思いますが、今回のように結婚する側がそのことをお知らせする場面では、一般的にannouncementがよく使われます。
大谷翔平の結婚報告に対する海外メディアの報道
この記事を書くきっかけになったのは、大谷選手側からの発信で日本語と英語の表現が違ったことですが、ここで紹介するのは「結婚発表を海外がどう報道したか」についてです。
日本のメディアはアスリートなど専門性が高い職業の人をアイドル歌手のような扱いで報道することが多く、結婚相手の年齢、職業、挙げ句の果てには妊娠の有無まで個人情報を侵害する内容がメインです。
ここで根拠も示さずに「海外ではxxxxだから日本のメディアは遅れている、幼稚だ。」と批判するのは幼稚な行為なので、実際にどうなのかを見てみましょう。結果を見て、どう感じるのか、この記事を読んだ方が考えれば良いと思います。
Ohtani Shohei marriage announcement(s)で検索して、海外の大手メディアを9社選んでその記事タイトルを抜粋しました。新聞系から、ややゴシップメディア寄りのもの、スポーツ専門のメディアまで色々な種類を入れました。

【英語教師のポイント解説】
CNNのタイトルにある “in surprise”は意訳すると「まさかの」みたいな感じです。 予測不能な驚きの出来事があった時などに使われます。CNNもCBSも、至って普通のタイトルですね。事実のみを述べています。

USA Todayのタイトルで結婚相手を”his new bride”と表現しています。bride自体に”新”婦という意味があるのでnewは必要ないと思うかもしれませんが、結婚が最近の出来事であることを表すためにnewをつけたと思われます。
Shohei Ohtani is MARRIED! LA’s most eligible bachelor reveals he secretly wed a mystery Japanese woman during the winter – just weeks after signing historic $700MILLION contract with the Dodgers
Daily Mail
Shohei Ohtani Makes Surprise Marriage Announcement: ‘Excited for What Is to Come’
People

2社とも、さすがゴシップ系メディアだけあって、ちょっと表現にクセがありますね(笑)
Daily MailはMARRIEDが大文字で強調(Capitalizedと言って、強調したいときによく使われるテクニック。意味の圧が増します。)wedはweddingの省略表現で、結婚相手を”mystery Japanese woman”と表現しているのも日本の週刊誌っぽい感じで他メディアと一線を画しています。あと報酬のMILLIONも大文字で、躊躇なく下世話なスパイスを振りかけていて天晴れです。
Peopleの方がえげつない書き方すると予測していたんですが、そうでもなく、拍子抜けしました。こちらのタイトルは、forやtoなどの機能語(前置詞や冠詞)以外の単語の頭文字を大文字にしている点に注目。タイトルをつける時の英語のルールの一つです。
Shohei Ohtani is no longer a free agent on dating market: Japanese star announces marriage
Los Angels Times
Shohei Ohtani drops a marriage bombshell on Instagram — but who is the mystery woman?
New York Post

こちらは2社とも、地域メディアですがゴシップメディアみたいなタイトルですね。タイトルだけ見ると、日本メディアの報道と近い匂いがします。
記事の後半はきちんと野球選手としての情報が書いてあったのと、Los Angels Timesの記事に対するコメントでは、プライバシーに関する心配や、彼のプライバシーを守る姿勢を称賛する声が目立ちました。
New York Postの”bombshell”は衝撃的なニュースという意味です。
日本語は擬音語、擬態語が豊富なので「ドカーン!」などで表現する時でも、英語ではこういった具体的に存在するもので比喩表現をすることが結構あります。
Ohtani has been taken off the market … again!
MLB.com

破格の報酬や試合での成果、中国が大谷翔平という名前を商標登録しようとしている事件など、ニュースに事欠かない大谷選手ですが、「またか!」をagain!で表現しています。こう言った英語を色々に意訳してみるのは日本語力を磨く上でも楽しくておすすめです。
本文では、結婚相手のことをhis spouseと表現していましたが、spouseは配偶者という意味で、男女関係なく使います。法的な手続きでもこの言葉が使われますから覚えておきましょう。昨今は、性別や個人情報を含む表現に対する風当たりが強いですから、このようなニュートラルな表現を知っておくと相手に配慮した言い方ができて、スマートな印象を与えられます。ちょっと硬い表現にはなりますが。そこは状況に応じて使い分けましょう。
大谷翔平で英会話力、英語のコミュニケーション力を上げる
文字数がすごく多くなってしまうので、記事の特徴と気づいた日本メディアの報道との違いを簡単に書いておきます。
各記事の詳細を読みたい場合はリンクから飛んで参考にしてください。特に凝った英語表現はないので、英語で読むのが億劫な人は翻訳サイトなどを使っても十分内容がわかると思います。
全体的に言えることは、大谷選手を野球選手として扱っているということです。
記者会見でもそうでしたが、まずは彼の選手としての特徴や功績、立ち位置などについて触れ、その上で人物の特徴を書いたり、そこから結婚の件に触れたりしていました。
一方で、日本のメディアは野球のことなんてそっちのけで、相手の女性がどんな人なのかとか、馴れ初めだとかに焦点を当てている点が大きな違いでした。
海外の報道でも、ゴシップ寄りのメディアだったら結婚相手の事を根掘り葉掘り憶測した記事を書きそうなものですが、そんなことはなく、あくまで視点の中心は「野球選手としての大谷翔平」でした。
日本のメディアは幼稚だとレベルが低いとかそういうことが言いたいのではなく、英語圏での報道と、日本の報道の違いを知ることで、「英語の国の人たちが何に焦点を当てているのか」を理解することができることを実感していただけたらと思います。
いくら英会話を練習したり、単語や英文を覚えても、英語を話す人達がどんなことに興味を持ち、どういった知識を持っているのか知らないと、会話が成立しません。
そういう意味で、世界中から注目を集める大谷翔平選手についての報道は、国際比較をするのに便利なツールです。
これからも色々な視点で、記事を書いていこうと思います。
これを読んだら、自分でもいろいろな情報をチェックして違いを感じて、感じるだけでなく自分の考えを英語で言語化してみましょう。
私は、今回の記事に書いたことを近々、英語のパブリックスピーキングを訓練するクラブToastMastersClubでスピーチするつもりです。
世の中で起きていること、話題になっていることを、今の自分の英語レパートリーでどうやって英会話につなげるのか。
それが大事です。メントール英語発音教室では、発音矯正だけでなく、生徒さんの英語コンテンツ作り力がつくようなレッスンをしています。
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