世界中を喜ばせる男、オータニさん。彼が空気を吸って吐いただけでも喜ぶ人がたくさんいるでしょう。というのは冗談として。「イケメンの英語ジョーク」とタイトルに入れましたが、この記事では、大谷翔平選手が英語スピーチをする前に演壇に登場した時のことを例にして英語のジョーク、ユーモアの入れ方について紹介します。

リスニングは、聞き取れた部分を大切に

英語を話す時、ユーモアのセンスは必要?

特に英語の世界では、プレゼンテーションやスピーチをする時、本体の原稿内容もさることながら、最初の入り方で場の空気をしっかり作ることが大事です。

状況にもよりますが、ユーモアのセンスを少しでも装備しておくと場の雰囲気作りをするための選択肢が増えます。

特にユーモアのセンスが役立つのは、日本人が苦手な「褒められた時」。スピーチやプレゼンテーションをする時、司会者がスピーカーを紹介します。その時、紹介文に褒め言葉が入っていることがあります。

褒められたら、上手く受け止められますか?

日頃から謙遜グセがついている日本人。「英語の世界では褒められたら堂々と受け止めて Thank you! と言うくらいの自信を持ちましょう」と言われても難しいと思う人も多いでしょう。

でも謙遜ばかりでは、ほめた方が拍子抜けしてしまいます。
そんな時、謙遜ではなくユーモアを少し足して褒めをちょっと間引いて受け取る方法がおすすめです。

「英語もろくに話せないのに、英語でユーモアとかジョークなんてとても無理」なんて思わず、大谷選手の例で「こんなやり方があるのか」と知っていただければと思います。

自分でやることができなくても、人がやっているのを見るときに、「これが英語の人たちのやり方か」と知って、基準のようなものを持っていると記憶に残りやすいです。記憶に残れば、蓄積されて自分でもできるようになる可能性があります。

日本人は褒められ下手?

例えば誰かに「その服、おしゃれですね」と褒められたら、なんて答えますか?
「いやいや、安物ですよ」とか言ってつい謙遜してしまっていませんか?

英語圏の文化では褒め言葉をよく使うし、英語の国の人たちは、「いえいえ、そんなことはないです」のような謙遜はせず、うまく褒め言葉を受け止められる人が多いです。

適度な謙遜は必要な時もありますが、英語の人たちの感覚だと、褒められたら堂々とThank you!くらいな感じが普通です。

日本人が褒め言葉をうまく受け止められないのは英語力より、文化的やメンタリティの違いによるところが大きいのではないかと思います。

日本人でも違和感なく使える感謝と謙遜の英語フレーズ

褒め言葉を受け止めつつ、一文追加していい具合に謙虚さを表現できる英文をいくつか紹介します。
※日本語は意訳と直訳が混ざっています

ご親切な(お褒めの)言葉、ありがとうございます。
Thank you so much. I appreciate your kind words!

(この事を)すごく頑張って取り組んできたので、報われた思いです。
That means a lot to me. I’ve been working hard on this.

あなたが褒めてくれたのでいい1日になりました。ありがとう。
Your compliment has made my day. Thank you!

ありがとう! 人に恵まれたおかげです。
(インスパイアしてくれる素晴らしい人がいたおかげです)
Thank you! I must say, some fantastic people inspired me.

いえそんな、ありがとうございます(恐縮です)上手くいって嬉しいです。
I’m flattered, thank you. I’m just glad it turned out well.

ありがとう!あなたがそう思ってくれて嬉しいです。
Thank you! I’m happy to hear you think so.


褒め言葉に対して感謝しつつ、自分以外の人に対する感謝や褒め言葉を入れることで、いい具合に謙遜できます。

ありがとう。おニュー(死語?)なんです。
Thank you. It’s new.

りがとう。私のお気に入りなんです。
Thank you. It’s my favorite.

ありがとう。両親からのプレゼントなんです。
Thank you. My parents gave it to me.

持ち物などを褒められた時には、そのものの特徴を言うのがおすすめです。間違っても、「いやあ、安物ですよ」などと言わないようにしましょう。

ユニクロや無印良品が世界的に人気になっている昨今、私がたまに使うジョークがあります。
ユニクロのシンプルなアイテムを褒められた時、
「ありがとう!これ、一番高い商品なの」と言って、微妙な間をあけた後で、、、
テヘペロ(・ω<) の顔をして、「ユニクロの中でね」と、言います。
信じてくれない人もいるかもしれませんが、2回成功してますよ!

英語のジョークは成功するまで色々な場面で試してみる度胸も必要です。

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これを共通の話題にすると盛り上がります!

大谷翔平の感性は日本的? アメリカ的?

2024年1月29日の全米野球記者協会(BBWAA)NY支部主催のアワードディナーで受賞者スピーチをする時、大谷選手は褒め言葉をどうやって受け止めたでしょうか?

彼が受賞スピーチを英語でする前、ベイカー監督がスピーチをしました。続いて、大谷選手が演壇(英語でpodium)に登壇する時、彼を紹介したベイカー監督が「才能もあるし、カッコいい」と中身や外見に対する褒め言葉を交えながら紹介しました。

それに対して、「ご紹介ありがとうございます。そして、素敵な言葉もありがとうございます」(意訳です)と、普通に褒め言葉を受け止めていました。

普通の日本人が「ハンサムだ」なんて言われたら、「いやそんなことないですよ」とかなんとか言って謙遜してしまうことでしょう。今回は、おそらくスピーチ時間も制限があったでしょうし、褒め言葉にお礼を軽く言うに留めていました。

外国の言葉を使いこなそうと思ったら、言葉そのものを覚えるだけでなく、文化も理解してある程度受け入れる必要があります。大谷選手はそれがいい具合にできている好例です。

ユーモアのセンスで上手く謙遜しつつ笑わせる方法

英語文化の人たちは、ちょっとしたことで人を笑わせたり和ませようと工夫しています。すごく難しい英語を使うわけではなく、大笑いするようなものでもなく、ちょっとした冗談で良いのです。

どうやったらできるようになるの?と思ったことでしょう。

これは、もう実例をたくさん見聞きして、自分の感覚に合うジョークをちょっとカスタマイズして蓄積していくしかありません。

今回の状況で、ちょっとジョークを言う時間や余裕があったとして、私が大谷選手ならどういうユーモアを入れる余地があったのか。こういうときにChat GPTが大活躍します。以下に例を紹介します。

ChatGPTを使って英語のユーモアのセンスを磨く

ChatGPTから良い結果を引き出すには、司令(プロンプトと言います)の仕方が大事です。

今回は、こんな風にお願いしてみました。
※実際は英語で全てやりましたが、英語で記事を書くと読んでもらえないので日本語にします。

ChatGPTに対する
リクエスト


そうしたら、最初に出てきた提案がこちらです。

「ご紹介ありがとうございます。私をハンサムだと褒めていただいたのは意外でした、というのも、部屋にある鏡が、私のことをいつも(その鏡に写ったことがある人の中で)2番目にハンサムだと言うもんですから。誰が一番なんだろうって思っているんですよ。」

Thank you for that introduction. You mentioned I’m handsome – which is surprising because my mirror always tells me I’m the second most handsome person it knows. I’m still trying to find out who the first is!

どうですか?これはなかなか良さそうです。文化に関係なく理解できるし、差別も入っていなくてクスッと笑えます。
会場に大きな笑いか小さな笑いが起きて、場が和むことでしょう。注目も集まります。

もういくつか提案してもらいました。
2つ目に出てきたのは、こちら。

「ハンサムって言ってくれてありがとうございます。まあ、私のスタイリスト、つまり引力のお陰かな?私の顔を長年、下に向かって引っ張り続けてくれていますからね!」

Thank you for calling me handsome. Just so you know, it’s all thanks to my stylist – gravity. It’s been pulling my face down for years!

これはちょっとブラックジョークというか、すごく年をとって顔が弛んでいるのに褒められた時なんかに良さそうですね。特に日本人は、中高年になってから褒められると「いやー、もう年取ってますからそんなことないですよ」などと謙遜して、相手が返答に困るようなことを言ってしまいがちです。引力(gravity)を持ち出すのはちょっと高度ながらクスッと笑えるユーモアです。

3つ目も、ちょっとひねりが効いています。

私のことをハンサムだと思っていただいてるなんて恐縮です。(もしハンサムなんだとしたらその秘訣は)私のスキンケアルーティーンのおかげですね。(ちなみにそのスキンケアは)「エイジング」というやつです。驚くほど効果があるんですよ!

I’m flattered you think I’m handsome. It must be my new skincare routine – it’s called ‘aging.’ Works wonders!

ちょっとこれは若い人には使えないかもしれませんが、容姿を褒められた日本人は大抵自分のことを「もう歳ですから」と卑下しがちなので、こういった表現は手玉として持っておくといいかもしれません。

ちなみに、大谷選手は化粧品ブランドのコスメデコルテの広告に出ていますから、もし私ならこのジョークを応用してこんな風に言うかもしれません。
「ありがとうございます。僕が広告に出ているコスメデコルテを使うと、みんなこういう顔になるんですよ!あ、スポンサーさん、観てますかー、契約延長、待ってますよ!」とか言ってカメラに向かって手を振ります。
大谷選手は上品なので、こんな下世話なこと言わないかもしれませんね、失礼しました。

英語のスピーチやプレゼンを成功させる必須スキル

英語のスピーチやプレゼンテーションで大事なのは、まずその場のオーディエンスの心を掴むこと、場の設定がとても大事です。
プレゼンテーションやスピーチの原稿を一生懸命準備する人や、英語表現を練習する人はいますが、オープニングに気を使う人はそんなに多くありません。
最初を制するものが、スピーチやプレゼンを制す。
というとちょっと大袈裟ですが英語でスピーチやプレゼンテーションをする機会がある人は心がけてみてください。

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