受講生の基本情報

年代・性別30代男性
ご職業医療系製造業・研究職
英語歴オンライン英会話・発音講座等の受講経験あり/TOEIC800点弱の受験歴あり
使用状況専門文献の読解、英文メール、海外の業界セミナーの聴講など
受講目的リスニング力とスピーキング力を高め、仕事で使える英語力を身につけたい

1. 受講前の課題:「読める英語」と「聞く・話す英語」のギャップ

今回ご紹介する方は、医療系の製造業で研究職に就いている30代前半の男性です。
研究職ということもあり、専門分野の語彙力や英文読解力はもともと高く、TOEICも過去に800点弱を取得した記憶があるとのことでした。仕事では英語の専門文献を読んだり、メールでやり取りをしたりするほか、海外の業界セミナーなどを英語で聞く機会もあります。

一方で、実際に英語を使って人と話す経験はそれほど多くなく、「読むことはできるけれど、聞く・話すことには不安がある」という、英語力のアンバランスを感じていらっしゃいました。

これまでにもフィリピン人講師とのオンライン英会話や発音講座などを経験され、リスニングを強化する方法を調べる中で、「自分で正しく発音できるようになることがリスニング力の向上にもつながる」と知り、発音矯正に関心を持たれました。

いくつかの発音スクールの体験レッスンを受けた上で、当教室について、「なぜこの音になるのかを理論的に説明してくれるので分かりやすい。ここなら直せそうだと思った」と感じていただいたことが、入会の決め手になりました。

2. プロの見立て:発音だけでなく「声の出力」に課題

体験レッスンでまず気になったのは、個々の発音以上に声そのものの出し方でした。

普段、人前で話すことを主な仕事にされている方ではないこともあり、日本語を話す際にも声がやや小さく、特に語尾になるにつれて音が弱くなり、消えてしまう傾向がありました。

英語でも同様で、発音自体はできていても最後まで十分な息と音を届けられないため「正しく言っているのに相手には聞き取りにくい」状態になる可能性がありました。

もう一つの課題が、口の開け方です。口腔内が比較的コンパクトな骨格のため、英語の母音に必要な響きを作るには、ご本人が思っている以上に口を縦方向へ大きく開ける必要がありました。

そこで、単に舌の位置だけを直すのではなく、口を十分に開ける・息を出す・声を前に届ける・語尾まで音を保つという、発声を含めた身体的な調整を行いました。

さらに興味深かったのがリスニングです。
ご本人に詳しく聞いてみると「その場では英語を聞き取れているのに、後になると何を言っていたのか分からなくなる」という悩みを持っていました。

英語では、強く長く発音される部分と、弱く短く処理される部分の差が日本語より大きくなります。自分自身の発話に十分な強弱がない状態では、この英語特有の音の変化を聞くたびに音声処理へ注意を取られ、意味内容の保持に負荷がかかっている可能性があると考えました。

そのため、この方の場合は単に「発音をきれいにする」のではなく、自分自身で英語の強弱やリズムを再現できるようにすることが、リスニング改善の鍵になると判断しました。

3. 指導プロセス:理論を理解し、毎回確実に積み上げる

英語発音矯正とリスニングカアップの基本コースの概要を示したインフォグラフィック

この方の大きな強みは、研究職らしい非常に論理的で丁寧な学習姿勢です。

「なぜ舌をここに置くのか」
「なぜこの母音ではここまで口を開くのか」
「なぜこの部分を強く、こちらを弱くするのか」

仕組みを理論的に説明すると、それを正確に理解し、細部まできちんと再現しようとされます。さらに、毎回必ず復習をしてから次のレッスンに来られるため、前回できるようになったことが次回には消えてしまう、ということがほとんどありませんでした。

そのためStep 1は比較的速いペースで進み、約12回で母音・子音の基礎を一通り終了しました。その後、イントネーションや実際の英語で起こる音の変化を扱うStep 2へ進みました。

この時期は仕事が忙しくなり、それまで週1回だった受講が2〜3週間に1回程度になったため、Step 2には約6回を要しました。

その後、再び週1回程度のペースに戻ってからはStep3のチャンク学習も順調に進み、1回のレッスンで2章程度ずつ進行。約32回目でチャンク教材を一巡しました。

現在はさらに長い英文へ進み、World Economic Forumなどから、本人の仕事や製造業に関連する1本約1,200語の専門性の高い英文も教材として使用しています。

4. 成長の転換点:12回目で「声」そのものが変わった

最初の大きな変化が現れたのは、レッスン12回目頃でした。

母音・子音を一通り学び、特に最後の二重母音などへ進んだ頃には、舌が非常によく動くようになり、口も大きく縦に開けられるようになっていました。受講前と比較すると、音の一つひとつが格段に明確になり、息の量も声の出力も大きくなりました。発音だけでなく、「声そのものがはっきりした」という印象です。

興味深いことに、この変化は英語だけにとどまりませんでした。ご本人から、「会社のオンラインミーティングで、日本語でも聞き返されることが減りました」という報告がありました。

英語発音のために行っていた「口を開く」「息を出す」「語尾まで音を届ける」というトレーニングが、結果として普段の日本語の話し方にも影響したと考えられます。

5. 受講後の変化:20〜30語の長文から、初めての海外向けプレゼンへ

もともと専門英文を読む力は非常に高い方でした。しかし、レッスン開始当初は、一文の中に20〜30語あるような長いセンテンスになると、途中で細かく区切りながら読んでいました。

現在では、長いセンテンスでもピリオドまで意味のまとまりを維持して一気に読み、英語らしい強弱やイントネーション、音の上げ下げまでつけられるようになっています。つまり、もともと持っていた高い「読解力」に、音声として英語を処理し、表現する力が追いついてきたのです。

そして、受講開始後には大きな出来事がありました。初めて、海外の方々を前に英語でプレゼンテーションを行ったのです。もちろん緊張はしたそうです。しかし終了後、ご本人からこんなお話がありました。

「自分はそんなことができるような器ではないと思っていました。でも、やってみたら意外とできて、自分でもびっくりしました。発音矯正を受けた効果を実感しました」

「専門英文を読むことはできる。でも、自分が海外の人たちの前で英語を話す姿は想像できない」──そこからスタートした方が、発音、発声、イントネーション、チャンクと段階的に積み重ね、実際の仕事の場で英語を使うところまで到達されました。このケースで起きたのは、単に「発音がきれいになった」という変化だけではありません。
「読める英語」が、「聞ける・話せる・人前で使える英語」へとつながったこと。

そこに、この方の最も大きな変化があると思います。

6. 講師からのメッセージ

東京銀座のメントール英語発音教室代表・杉本香七

理系・研究職の方には、専門分野の英文を読む力や語彙力は非常に高い一方で、「英語を実際に声に出して使ってきた経験が少ない」という方が少なくありません。

その場合、英語力そのものが足りないのではなく、すでに頭の中にある英語の知識を、音声として使える状態に変換するトレーニングが不足していることがあります。この方は、その非常に分かりやすい例でした。

そしてもう一つ、上達が速かった大きな理由が、毎回の復習です。理論を理解するだけで終わらず、前回できるようになったことを次回まで維持する。だからレッスンのたびにゼロへ戻らず、少しずつ確実に積み上がっていきました。

発音矯正は、英語をきれいに話すためだけのものではありません。自分で英語の音を作れるようになることで、これまで「読むもの」だった英語が、聞くもの、話すもの、そして仕事で実際に使うものへ変わっていくことがあります。

「英文は読めるのに、英語を聞いたり話したりすると急に自信がなくなる」そんな理系・研究職・専門職の方にとって、このケースが一つの参考になればと思います。

まずは「自分の発音の現在地」を知ることから

メントール英語発音教室では、お一人おひとりの骨格・英語バックグラウンドに合わせた完全オーダーメイドのマンツーマン指導を行っています。

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