単語や英文の覚え方は人によって違います。
大きく分けると、目で文字を見た方が覚えやすい人、音で聞いた方が覚えやすい人がいて、私は音でまず覚える方が楽です。
随分昔に、たった2回聞いただけで、メモも取らなかったのに覚えた難しい単語があります。
ディスレクシア(dyslexia)という単語です。
日本語では発達性読み書き障害と言われていて、学習障害の一つとして扱われているものです。
有名な人だと、アインシュタインや、俳優のトム・クルーズなどが挙げられます。
アメリカで旅行中に、あるアメリカ人と話をしていた時に、その単語を初めて聞きました。
私がどうして英語を話せるのか、どうやって英語を勉強したのかなどを聞かれて、説明している中で、「でも、覚えるのが難しいと思う単語がいっぱいある」というようなことを言った流れで出てきたように記憶しています。彼は、それを「もしかしたら”dyslexia”かもしれない。」と言ったのです。
変わった音の響きだなあと思ったので、メモを取ったわけでもないのにその単語を一発で覚えてしまいました。部屋に帰って、ネットで調べたら、すぐに意味が出てきて、これも一発で覚えてしまいました。
当然、私は発達読み書き障害ではないし、単に「覚えにくい単語や文章がある」と言っただけで「ディスレクシアかもしれない」と言われたので、彼に私の英語が正しく理解されなかったか、彼がディスレクシアの意味を正しく理解できていないのだろうと思いました。
dyslexiaという聞いたこともない単語をどうしてこんなにすぐ覚えてしまったのでしょうか。
それは、自分の説明をしたときに使われた単語だったこともあり、興味が強くて記憶に残りやすい条件が揃っていたのだと思います。あとは、私が伝えたことと全然違う解釈をされてしまったことも、記憶に残りやすい原因になったと思います。

単語や英文を記憶に残すためには、繰り返し声に出したり、目で見たりすることに加えて、記憶に残るセンセーショナルな経験や情報が必要です。
これは、記憶に関する脳科学とか言語学の専門書などを読めばどこにでも書いてあります。
音さえ聴き取れれば、新しい単語や文章に出会ったときに、調べることができて、記憶に残る可能性が上がります。
記憶に残りやすいセンセーショナルな何かをプラスする工夫をして、単語をたくさん長期記憶に残しましょう。語彙力が豊富だと、英語が格段に楽になります。