散歩には、犬が付きものです。
私は犬の散歩をさせる能力が低すぎて、かつて、ニューヨークの姉一家が飼っていたトニーさんというすごく大きくて重い中型のフレンチブルドック(故犬)の散歩すらさせてもらえず、姉がスーパーに立ち寄る間、トニーさんの紐を握って外で待たされている10分ばかりの時間にすら、何かヘマをやらかすのでは、と怯えすぎて脚に力が入り、脚がつった経験もございます。

英語発音教師の仕事がなんらかの理由でできなくなり、バイトの選択肢が、企業の経理か、ベビーシッターか、犬の散歩しかなくなったとしたら、私はベビーシッターを選びますね。
…何の話か?
(犬の)散歩を活用した、リスニング力アップの話です。

英語のリスニング力を上げたい人は、言うまでもなく、耳を使って音を拾う作業をしなくてはなりませんが、発音レッスンをしている時に、本当に、みなさんの文字情報依存度の高さを実感します。
しかも、ほぼみなさん無意識です。
耳で聞いているようで、実はほとんど聞いておらず、「自分がそうだと思ってる音」を目の前にある文字情報と、自分の記憶や持っているイメージに結びつけた音で発音しているのです。
私の後について発音していただくパターンの時、私がした発音と違う音を発音する(つまり、間違える)原因は、みなさんの頭や耳が悪いせいではなく、文字や記憶に邪魔されて、耳を使えてないせいです。100パーセントそれだけが理由とも言い切れませんが、ほとんどそう。
その証拠の一つに、知らない単語は、間違えて読まず、私とほとんど同じ発音をしてくれるから。
つまり、目を通過しないで、耳から聞いて口から出すことを繰り返していれば、耳を鍛えることが可能なのですが、なかなかこれをやらない/出来ない人が多い。
一方で、テキストを見ると間違えるのに、見ないで私の音を真似ると間違えない人々がたまにいます。
何人かいる中で、犬の散歩をする時に発音教室のレッスン録音やCD教材を聞いて口に出して練習している人は、かなりペラペラな崩した英語をほぼ完璧に聴き取り、真似することができます。
なぜそうなったかというと、散歩中はテキストを見られず、耳と口をひたすら使っているから。
というわけで、犬の散歩はリスニング力アップに大変効果があります。
リスニング力を上げたい人は、犬を活用しましょう。
私は犬がいないから、自力でやります。