続・日本語的なこだわりを捨てる話です。
ときめかないものを捨てましょう、と片付けの達人、近藤麻理恵さんが提唱して世界中で受け入れられています。
彼女の愛称「こんまり」は、何かをネットで調べるときに使う「ググる」のように、動詞として使われています。ときめかないものを捨てることを”KonMari”と言い、例えば “I KonMari-ed my clothes.”「私は服を断捨離した」と言う意味になります。
言いたいことが口から英語で出てこない、あれこれ考えてしまう、という人には、日本語的なこだわりを捨てる「こんまり」をお勧めします。

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例えば、年明けの会話で日本人が言いがちなことを例に考えてみましょう。
お正月休みどうだった?と聞かれて「実家に帰省した」と言いたかったとしましょう。
うーん、実家って英語で何て言えばいいんだろう?帰省?帰省って単語は、、、わああ、どうしよう、英語が出てこないよー、なんてことになりませんか?
実家に帰省したってことは、両親とか、兄弟とかに会ったってことが伝わればいいですよね。さらに、故郷で、って付け加えれば完璧。
“I met my parents.” と “In my hometown” の2つがわかれば全く問題ないし、このくらいの英語ならなんとか思い出せますよね。実際には、両親が生まれ故郷に住んでいない場合もあるかもしれません。でも、そこまで細かいことを正確に言う必要はないんです。一番強調したいのは、両親と過ごしたとか、故郷で過ごしたという内容だと思うので、細かい日本語のニュアンスに対するこだわりは「こんまり」してシンプルに考えましょう。

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あと、「お正月太りしちゃった」なんてことも会話にしがちですよね。でも、英語にお正月太りなんていう言葉はないし、そのニュアンスにこだわって英語にしたところで、聞いている側にはどうでもいい話です。パーティーがたくさんあった ということと、飲みすぎた、食べすぎた、ということと 「体重が増えた」ということが伝わればいいですよね。「いや、パーティーじゃなくて単なる飲み会なんです」と、またいらぬこだわりを発動する人がいます。これもやめておきましょう。集まって飲もうが、食べるだけだろうが、すべてひっくるめてパーティってことで乗り切る方がペラっと口から出てきやすいです。
“I partied a lot. I ate too much. I got fat.”
このように簡単な英語でとりあえず大まかに通じます。
もちろん、よりネイティブライクな言い方とか、細かいニュアンスを加えた言い方もあります。でも、最低限のことをペラペラ話したいなら、こういったシンプルで簡単なこんまり発想の英語を出し入れする練習から始めるのがおすすめです。

大掃除も、日本人が頑張って説明しがちなあまり意味のない言葉だと私は思っています。年末、しかも寒い時に1年分まとめて綺麗にするっていうのは日本に住んだことがある外国人でないとあまり理解できないと思います。単に、年末に全て綺麗にするということと、それが日本の習慣だ、と言えればほとんど用は足ります。”We clean up everything at the end of the year. It’s a Japanese custom.”のような中学1年生の英語で言えます。もし、At the end of the yearが言えなかったら最悪、in DecemberでもOKです。言える範囲で、どんどんシンプルにしてしまいましょう。さらに「日本ではお正月が最も大きなイベントの一つだ」とか「その前に掃除して綺麗にする」とかこのくらい簡単なことが言えれば大掃除の目的から文化まで全て説明できてしまいます。大掃除、のたかだか「大」というニュアンスにこだわると、意味のない苦労をすることになります。
同様に、新年の抱負も、抱負っていう単語がわからなかったらgoalで用が足ります。
“My goal for 2023″で「2023年の目標」なので、結局 “New year resolution” とほとんど同じことです。せっかくgoalという単語を知っているのに、抱負という意味に固執して、口から出てこないのはもったいないと思いませんか?というわけで、英語が口からペラペラ出てくるようにするためには、不要な日本語独自の表現に対するこだわりを捨てて、シンプルで簡単な英語を考える癖をつけるのがおすすめです。

でも、これは普段から言いたいことを英語にするくせがついていないとできないことなので、まずはなんでも自分が言いそうなことを英語にしてみるところから始めてみましょう。
英語がシンプルであればあるほど、情報量が少ないので、発音は正しくクリアにしておく必要があります。
英語はシンプルに、発音はクリアに正しく
価値がある英語を目指してコツコツ積み上げていきましょう。