学会で、発表をした後に必ず「質疑応答」の時間があります。

私は、座長をしてくださる先生方は国内外問わず本当にエライと思い、感謝しているのですが、彼らは会場から質問が出ない場合、何かしら質問を捻り出して、「あなたの発表内容には何かしら意義がありますよ」という態度で臨んでくださいます。

どんなに退屈な内容であっても、自分の専門外でも。

人の論文読むだけでなく、質問をいくつも考える能力と労力は、すごいです。
もし学会発表をして、質問をしてくれる人がいたら、当たり前のこととして捉えず、感謝の気持ちを示しましょう。
質問されたら、お礼の言葉をまず述べるべし!

最もよく使われるのは、「的確なご指摘(ご意見)、ありがとうございました」または「ご質問いただき、ありがとうございました」と、いうあたりです。

質問者は名乗るのが礼儀なので、名前をメモまたは暗記します。

そして、相手が誰であろうが「XX先生」と呼びます。なぜか、国内学会ではこのようなマナーが標準のようです。先生と呼ばれて恐縮する人はいても、怒る人はいませんから、無難です。
「先ほど、XX先生にご指摘いただいた点については~」のような感じで、質問や指摘の意図を確認しつつ、答えましょう。

あなたの答えに対し、多少腑に落ちないコメントをされても、言い返したり論破しようとせず、頷きながら聞いて、メモなどもとり、「貴重なご意見を賜りましてありがとうございます。今後の研究の参考にさせていただきます」と締めます。

本当に、貴重な意見や質問もありますが、イチャモンに近いものもあります。
上記のやり方で、大人らしい対応をしましょう。
モンスターカスタマーやクレーマーへの対応の原則と同じです。
「相手の存在や意見を認める(ふりをする)、受け入れる(ふりをする)」ことが大事です。

特に、審査がある査読セッションでは、審査に受からなかった人があなたの発表を聴きにきているかもしれません。頑張って書いた論文が審査に受からず、つい人の論文に横槍をいれたくなって、ちょいとばかりイヤな質問や指摘をしたくなってしまったのかもしれません。
優しく、寛大な気持ちで対処するとうまくいきます。

もちろん、そのクレーマーの指摘がおかしくて、あなたがまともな論を展開していれば、座長や、聴衆の誰かがフォローしてくれることもあります。
私は、二回目の学会で、有名なクレーマーにからまれて、会場内にいた研究者に助けていただいたことがあります。その人は、ものすごい勢いで、理路整然と私の理論の正当性を主張してくださり、クレーマー被害にあったのに感動してしまいました。

発表が終わり、セッションが終わったら、座長と質問してくれた人にご挨拶&お礼に行きましょう。
このあたりは、学会でなくても基本だと思いますが、教わる機会がないと思うので、書いておきました。

この記事はアメブロ人気投稿の再編・再掲です。