長期記憶に必要な3つの条件を必ず揃えましょう!
条件1: 頻繁に繰り返し出会う、見る、聞く、書く、声に出す
条件2: 違う形態や場面で出会う
条件3: 覚えようとしている対象に関するセンセーショナルな情報に触れる

英語を話すにしても、読むにしても、聞くにしても単語を知らないと話が始まりません。
今や小学校から英語の授業が始まりますが、まずは単語から入りますよね?

でも、単語を覚えるのが苦手、覚えてもすぐに忘れてしまうという悩みを持つ人は大勢います。
単語が覚えられなかったり、無理して暗記してテストは乗り切ったけどすぐ忘れてしまう原因はいろいろあります。

この記事では、単語を覚えられない理由、忘れてしまう理由をしっかり理解します。原因がわかったら、自分が何をするべきかわかります。そして、忘れない英単語の勉強方法をいくつか紹介します。

自分がどの原因で覚えられない/忘れてしまうのかを知り、自分に必要な学習方法を選んで続けられるようになるために、ぜひ最後まで読んで実行してみてください。

この記事を書いている2月は入試の時期なので、大学入試って今はどんな英単語が出るのか気になって色々みていたら、受験生時代に見覚えのあるものがたくさん出てきました。

through 経て、~を通って
remember 覚えている、〜を思い出す

のように、英単語と日本語の意味が羅列してあるリスト。

ひええええー、無理!って思いました(笑)

でもこういう無味乾燥なリストで一生懸命暗記していたんですよね。はっきり言って、大学受験のためだけに覚えた単語はほぼ全て忘れました。
今使っている単語は、TOEICとか映画とか学会発表とかビジネスで実際に使って「この単語が知りたい、必要」と思って覚えたものばかり。

受験生は大人と違って必要性に応じて単語を覚えるわけにはいかないかもしれませんが、大人は違います。

受験英語とは学習アプローチを変えましょう。もちろん、受験生だって大人と同じように必要で覚えたい単語を覚えて、しっかり英語データベースの太い柱を自分の中にドーンと立てましょう。そうすると、受験のためだけの単語も覚えやすくなります。

英単語を覚えられない、覚えても忘れる原因3

原因1:覚え方が悪い(理にかなってない覚え方をしている)
原因2:覚えた単語が悪い(使わないもの、出会わないものを覚えている)
原因3:覚える深さが足りない(しっかり理解している親友ではなく、ろくに知らない顔見知りみたいな接し方をしている)

大きく分類すると、この3つが原因です。
頭が悪いせいでも歳をとったせいでもありません。

原因1に多いタイプ:勉強が苦手な人は、そもそも英単語だけでなく、物を覚えるための理にかなった方法を知らないだけで、やり方が悪い場合が多いです。

原因2に多いタイプ:覚えた単語が悪い人は、「試験に出やすい単語」とか「ネイティブがよく使う単語」といった情報に振り回されて、自分に必要で適切な単語を選べていない場合が多いです。

原因3に多いタイプ:英語学習ジプシーの人はこのタイプが多いです。自分の英語学習ゴール/目的がはっきりしていない人や、凝り性で情報に振り回されてあれもこれも手を出してしまう人。おそらく一冊を徹底的にボロボロになるまでやり込んだことがないのではないでしょうか。

あなたはどのタイプですか?考えてみてください。
何かを身につける時には、自分のタイプを正しく把握すると正しい戦略を立てやすくなります。
英単語に関しては、学生時代に誰かが良いと言った方法やなんとなく身につけた習慣のまま今でも引きずってしまっている人がいます。ここで見直してみましょう。

英単語が覚えやすくなる3つの勉強方法

覚えたものしか忘れることができません。まずは「覚える」ことにフォーカスして説明します。
1.音、2.情報(用法)3.ビジュアルの3つを味方につけるのがコツです。では、順に説明していきます。

1.発音とセットで覚える

覚えやすくて、忘れないようにするために最もおすすめな方法は、「まず音で覚えること」です。
私が発音矯正の専門家だから音から入ることをすすめているわけではなく、音から入ることの効果は言語学や教育学の研究でも、その効果が明確にされているからです。

私は今では大学や大学院での講義や社会人に英語を教えることを職業にしていますが、小さい頃から英語をやっていたわけでも海外生活をしていたわけでもありません。私立の中学受験に落ちたので、一番最初に英語を勉強したのは中学に上がる前の春休みに通った高校受験のための塾でした。

同時に始めたのが、英語発音矯正の専門家であった父の英語発音レッスンでした。どれも、英単語が最初のステップでした。ラッキーだったのは、正しい発音を最初から習ったので、通じなくて聞き取れないカタカナ発音で単語を覚えなくて済んだことです。
英語を始める最初の段階で英語発音矯正をしてもらったことは、親からもらった最大の資産、生前贈与と言っても過言ではないくらい価値を感じています。

一方で、間違った発音で英語を覚えてしまった大学生や大人で、とても苦労している人をたくさん見てきました。

正しい発音ができると単語を覚える時に音を頼りにすることができるのは大きなメリットです。

英語は、スペルが音と一致しません。

例えばdebt(負債)は「デブト」ではなく、/det/(強引いカタカナ発音で表記するとデット)です。
デブトだと思っていると、/det/と誰かが言っても気づくことができないし、音声を聞いて覚えたものと文字を見て覚えたものが一致しないので勉強が無駄になってしまいます。

正しい発音で覚えておけば、耳から入れて覚える方法と、目から見て覚える方法と、口から出して覚える方法の3つ手段があります。

つまり、覚える機会が3倍に増えるのです。
英単語を覚えるときは、(正しい)発音とセットで覚えましょう。

2.用法とセットで覚える

たまたま2つ上の姉が洋楽ファンだったので、小学校の頃から一緒に洋楽ロックやポップスを聴いていて、よくわからないけど歌詞やグラミー賞に出てくる単語award(賞)とかnominee(受賞の候補者)などの単語を音で記憶していたのはラッキーでした。
また、歌の題名や歌詞の片鱗で覚えていた英語のかたまり(熟語、チャンクなど)に後からかなり助けられました。

モトリー・クルーというハードロックのバンドが大好きだったので、彼らの大ヒット曲、Smoking in the boys roomのタイトルを覚えており、room の時は前置詞が in なんだということは本能的に覚えていたし、ミュージシャンのチャリティ活動のパイオニアであった We are the world のメイキング・ビデオドキュメンタリーをそれこそビデオテープが擦り切れるほど繰り返し見たおかげで、歌詞を全て音で覚えていました。
だから、関係代名詞なんて聞いたこともない中1の時から、We are the one who makes the better day.を暗記していました。おかげで文法は苦手だったけど、何の抵抗もなく関係代名詞を習った時、頭に入ってきました。

クイーンのボーカルだったフレディ・マーキュリーが出た音楽番組のインタビューで
The bigger, the better; in everything. デカければデカいほどいいのさ、何につけてもね。
と言っているのを繰り返しビデオで見たので、the 比較級, the 比較級で「〜すればするするほど」という意味だということも何の抵抗もなく覚えられました。

through 経て、~を通って
remember 覚えている、〜を思い出す

のように、英単語と日本語の意味が羅列してあるリストだと、苦痛で覚えられないという人は、ぜひ試してみてください。尚、発音をゴリ押しするようで恐縮ですが、用法とセットで覚える時にも正しい発音ができると耳と口を利用できるので、有利になります。

3.ビジュアルや経験を使って覚える

CMで聞いて覚えたお店の名前って、ありませんか?そこに実際に行ったり、映像を見たりすると忘れられなくなった経験は誰にでもあると思います。
文字情報にビジュアルが加わると、一気に情報が具体化して覚えやすくなりますよね。

前置詞とか概念だとビジュアル化するのは難しいですが、例えばangry(怒った)のような形容詞だったら、怒っている様子の人を見れば記憶に残ります。

またdelicious(美味しい)のように経験と共に覚えるのも良い方法です。
なるべく覚えようとしている単語にビジュアルや経験を追加して覚えるように工夫しましょう。

こちらもどうぞ:メモも取らずに一撃で難しい英単語を覚えた瞬 

英単語ではないのですが、私はテレビを持っていないので、最近の歌手とか芸能人がさっぱり覚えられません。でも、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅ はすぐに覚えられました。音の響きがユニークなのはもちろんのこと、彼女がいかにも「ぱみゅぱみゅ」っていう感じのビジュアルだったので、文字とビジュアルが一致したからだと思います。

杉本先生も登場するイカラフルのマンガはこちら

英単語を定着させ、忘れないようにするためのコツ

ここまでは、「覚える」ことにフォーカスしてきました。

次は、忘れないようにするためのポイントと具体的な方法を紹介します。

最初に「覚えられない、忘れてしまう原因」で説明したように、覚え方や覚える対象に工夫をすることが大事です。記憶のメカニズムはずいぶん多くの分野で研究されており、科学的と言ってもいいほど仕組みが明らかになっています。仕組みを使って、具体的に説明します。

戦略的なタイミングと方法で暗記作業をする

英語に限らず、何かを長期記憶に残すためには3つ条件があります。どれか一つ欠けてもだめです。短期、中期記憶には残りますが、長期的に覚えておくためには3つが揃う必要があります。

条件1: 頻繁に繰り返し出会う、見る、聞く、書く、声に出す

条件2: 違う形態や場面で出会う

条件3: 覚えようとしている対象に関するセンセーショナルな情報に触れる

英語の記憶と認識

単語を長期的に覚えようとしたら、スペルや発音を覚えて書いたり言ったり聞いたり読んだりすること。

この繰り返しによって「顔見知り」になったら、今度は「この単語を誰か使っていないかなー?」「どんな時にどうやって使うのかな?」と思いながら、色々な場面で出会うための出会い活動をします。

これで、ようやく赤の他人だった人が、特徴を知っている知り合いレベルにまでなります。

でも、ただの知り合いだと長らく会わないうちに苗字か名前、下手したら顔も忘れてしまいます。いつもと違う服を着て街で会ったら「誰だっけ?見たことある気がするけど、、」レベルになってしまうんです。

タイミングのマネジメントが、英単語を覚えやすく、忘れにくくさせるための鍵を握っています。

同じものに頻繁に出会うようにすること、なるべく違う場面や形態で出会うようにすること、そして記憶に残りやすい出来事やイメージを追加する工夫をすること。
…書いていて何かに似ていると思ったんですが、わかりますか?
カップルになる過程(笑)

気になる人ができたら、できるだけ頻繁に会って、相手の名前を呼んで、ラインでメッセージをして、趣味とか特徴とかを覚える。

色々なところでデートしたり、(偶然を装って)街でばったり出くわすように仕向ける。

会うのがルーティーン化したらちょっといつもと違うファッションとか髪型でデートしてみる。あるいは、しっかり者だけどちょっとおっちょこちょいなところを見せてみる。

そうすると記憶に残りますよね。一生忘れられません。

英単語は、古典的なデート作戦と同じ!ということでこれからはやっていきましょう。

覚える対象をよく考えて、使う場面を整える

大人の英語は、数をやたらに覚えたり難しい単語を覚えればいいというものではありません。
使わないもの、興味がないものより、使うもの、知らないと困るもの、知りたいものを覚えるのが忘れないためのコツです。
そのために、以下の項目を考えた英語学習と実践をデザインしましょう。

・(自分が受ける試験、自分が考えている英語環境で)頻出の英単語から覚える
・複数の英単語を関連させて覚える
・英語を日常的に使う環境を整える
使う場面を意識しながら覚える
・覚えた英単語を英会話で使う

上記を全て自力でやる方法なんてあるの?

あるんです!ChatGPTを使えば、全部できちゃいますよ。
ただし、課金してGPT-4(2024年2月現在)を使うのがおすすめです。

PC版のChatGPTと、スマートフォン版のChatGPTは、できることが違います。声で対話をするのなら、スマートフォン版が断然便利です。

具体的なやり方は、この記事に書くと長くなってしまうので別の記事で紹介します。具体的なお願いの方法や条件設定、アウトプットの使い方まで、他ではやっていないかなり楽しい方法です。

私は楽しすぎて3時間くらい色々試して遊んでしまいました。おかげで今日は10個くらい新しい単語の用法を覚えました。記憶があやふやだった単語も含めて、英単語のデータベースが増えました。月額3000円弱で、3時間も英語ネイティブ(しかもイケボ)と会話のラリーができちゃうなんて本当にいい時代です。使わない手はないし、英単語が覚えられなくて困る日本人の数は激減するでしょう。

英単語はアウトプットを意識した効率のよいインプットで記憶に定着させましょう。

こちらもどうぞ
英語の勉強に行き詰まっている時

英語でとっさに言葉が出てこない3つの理由と対処方法を発音専門家が解説!